100人に1人は入院中、65歳以上なら2.8人…入院・外来率の実情
医療技術の進歩と共に、多様な病症への対処法が確立され、医療施設で受療可能となり、多くの人が病院へ足を運び、治療・入院するようになった。現在日本における、対人口比の入院・外来受療率を、厚生労働省が定点観測的に実施している「患者調査」の内容から確認していく。
次に示すのは、年齢階層別の入院・外来の受療率。例えば1歳から4歳の入院受療率は170とあるので、1歳から4歳までの子供10万人に対し、該当日には170人が入院していた計算になる。対人口比率を換算すると0.17%。589人に1人が入院中。
入院受療数よりも外来受療数の方が桁違いに多い。そして入院はゼロ歳以外はほぼ年齢階層の上昇と共に値が増えていく。絶対人数では大きな段差が見られた60歳前半と50歳後半との間もほぼスムーズな流れ的増加傾向を示している。これは元々の人口において、60歳前半が多分に及んでいた事を意味する(いわゆる「団塊の世代」である)。
しかしながら60歳以降になると上昇率はやや累乗的な増加カーブを描くようになり、老化による病症の悪化や発症で入院を余儀なくされる事例が増えていくのが分かる。70代も後半になると10万人に2635人が入院。大よそ2.6%、70代後半の38人に1人は入院している計算になる。
他方外来受療率は絶対数同様、ゼロ歳から10代前半まではやや多めで、10代後半が最小。幼少時の健康管理の大切さが改めて実感できる。その後はじわりと増加するが、増加が急ピッチになるのは40代後半から。「四十肩」なる言葉が思い返される。
対10万人対が1万人を超えるのは70代前半。70代前半では10人に1人以上が通院している計算となる。そして70代後半から80代前半がピークであとは多少値を減らしていくが、これは通院するような軽度の病症に陥る可能性が減ることを意味する。子供や成人ならちょっとの怪我で済むような事案でも、高齢者では大事に陥ることも多い。
今件各値は対該当属性人口比のため、総人数と誤解しないよう注意する必要がある。一方で、歳を経るほど体の老化が進み、医療機関に頼らねばならない人が増える実情があらためて認識できよう。
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