CDの方が売れているのは日本以外はドイツとフランス、オーストリアぐらい…主要国の音楽売上状況を探る
音楽を好むのは世界共通のお話。当然音楽市場も世界各国で形成されている。主要国の音楽市場の概要を、日本レコード協会の報告書「日本のレコード産業2015」から確認していく。
世界全体の音楽売上は日本同様に漸減すると共に、パッケージ(CDやカセットテープなど)の売上は額面・比率共に低下し、有料音楽配信(デジタルデータ)が拡大の一途を遂げている。
その売り上げについて国別の規模を記したのが次のグラフ。卸売価格(実際の売上ではない)ベースによる順位付けでは、トップがアメリカ合衆国、第2位は日本。この2国が断トツで他国を抜きんでており、世界全体の約半数を占める。
日米に続くのはドイツ、そしてイギリス。それぞれ14億ドル前後。その後ろにはフランス、オーストラリア、カナダが並んでいる。日本の市場の大きさが再確認できる。
一方、各国の市場もその中身、具体的にはパッケージや有料音楽配信などの構成には大きな違いを見せる(こちらは卸売価格では無く収入=売上ベース)。
最上位陣の日米でも、その構成比には大きな違いがある。パッケージ販売は日本が78%もあるのに対し、アメリカは26%でしかない。一方有料音楽配信は日本が17%でしかなく、アメリカは過半数の71%に達している。いかにアメリカで有料音楽配信が進んでいるかが分かる。なお半数超えを示しているのはアメリカ以外にはオーストラリア、カナダ、韓国、スウェーデン、メキシコ、ノルウェー、中国、インドに及んでおり、デジタル音源の浸透ぶりもうかがえる。
日本ではパッケージソフトの売上が漸減し、有料音楽配信は従来型携帯電話からスマートフォンへの移行に伴い、この数年で急速に売り上げを落としている(直近2014年ではいくぶん持ち直したが)。今後は現在(今資料では)17%でしかない有料音楽配信全体のシェアも、じわりと、そして確実に漸増していくに違いない。
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