「回答者が誤認したかも」と明言…「LINEが1番、Google+が2番」問題・後日談

↑ Google+がFacebookの次、という結果の理由は……!?

日本のソーシャルメディアはLINE、そしてGoogle+…!?

昨年4月発表の「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」速報で、LINEに続いてグーグル+の多用結果が開示され、大きな話題を呼んだ。詳細は「LINEが1番、Google+が2番…!? 総務省のメディア調査結果を検証する」で解説の通り、LINE(厳密にはソーシャルメディアでは無いのだが、今件調査では同じタイプのサービスとしてまとめてある)に続きGoogle+(プラス)を使う人が多いとの結果が出ており、実情との食い違いの大きさが指摘されたものである。

↑ ソーシャルメディアの利用率(サービス毎・全体)
↑ ソーシャルメディアの利用率(サービス毎・全体)

今件に関して速報値が公開された時点では詳細状況の確認が出来なかったものの、調査票の質問様式の不手際から誤認が生じ、単なるGoogleの検索サービスなどをGoogle+として回答してしまった人が多数いたのでは、との推論に達していた。

↑ 推論に基づいたGoogle+利用層(イメージ)
↑ 推論に基づいたGoogle+利用層(イメージ)

結果は……やはり誤認っぽい

今件について2014年9月に確定報が公開され、その内容を精査したところ、ほぼ推測の通りの状況であることが分かった。今件2013年分の調査で使われた調査票では、該当する項目部分に関して「ソーシャルメディア」の説明書きは無く、単に「Google+(プラス)」が加わっているのみであることが確認された。

↑ 2013年調査分の調査票、該当部分(着色は当方によるもの)。ウェブサイトやアプリであることは表記されていても、並べられている対象がソーシャルメディア(あるいはそれに類するもの)との説明は無い
↑ 2013年調査分の調査票、該当部分(着色は当方によるもの)。ウェブサイトやアプリであることは表記されていても、並べられている対象がソーシャルメディア(あるいはそれに類するもの)との説明は無い

「Google+(プラス)」そのものを知らない人がこの調査票を見たら、検索エンジンなどの「Google」と誤認しても仕方がない。(1)から(6)はソーシャルメディアあるいはその類で、(7)も同類のものであることの推測は可能だが、たまたまかもしれないとの認識もできる。また、列挙されているサービスすべてを知っているとも限らず、知らなければ「ソーシャルメディアくくり」であることも分からない。

今件に関して詳細報告書では調査結果値そのものの変更はしなかったものの、解説の上で次のように解説し、誤認の可能性が少なからずあると説明している。

「なお、Google+については、調査票の「Google+(グーグルプラス)」という表記についてGoogle社の他のサービスと誤認した者が存在し、実際の利用率よりも高い調査結果となっている可能性がある」

「Google+については、平成26年1月に総務省情報通信政策研究所が都立高校生に対して実施した「高校生のスマートフォン・アプリ利用とネット依存傾向に関する調査」では、高校生のGoogle+の利用率は19.2%で、Facebookの24.3%を下回った。今回調査のGoogle+については、10代の利用率が30.9%とFacebookの22.3%を8ポイント上回り、両者の利用率が逆転しているなど、Google+の結果が高めに出ている可能性は否定できない」

文中の「高校生のスマートフォン・アプリ利用とネット依存傾向に関する調査」は情報通信政策研究所が2014年5月に発表した調査報告書で、Facebookは24.3%、Google+は19.2%の値を示していた。高校生に限定した結果ではあるが実感に近く、今件に関して「高めに出ている可能性」を裏付けるものといえる(「LINE、ツイッター、そしてFacebook…高校生のソーシャルメディア利用状況」にて詳細分析済み)。

↑ ソーシャルメディアなどの利用状況(個別、高校生、2014年1月)
↑ ソーシャルメディアなどの利用状況(個別、高校生、2014年1月)

回答時に誤認があった・無いは結局のところ回答者一人一人に確認するしかなく、現状では精査は不可能。もっとも報告書の通り、誤認の可能性があり、データにおいて事実と大きなぶれが生じているかもしれないと調査側が認識したことは、大いに意義がある。今後今件データを何らかの形で利用する場合、そのことが前提に置かれるため、不用意なトラブルを避けられる。

また次回以降の調査ではこのような問題が生じないよう、調査票において配慮がなされるのは確実で、より良い、確かな調査結果が期待できる。次回分は2014年の動向を確認するものとなる。春先以降に公開されるであろう速報に、まずは期待したいところだ。

そして状況を正しく把握し、問題点を認め、明確に表記し説明した情報通信政策研究所には、改めて敬意を表したい。

■関連記事:

外務省発「米国における対日世論調査」の所感

「国民生活基礎調査」を基にした論旨にツッコミを入れてみる