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忘れてそうな事実、ツイッターはチャットでは無くブログと同じ

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 身内だけのチャットのような感覚で戯言をツイッター上で流すと……!?

ツイッターはチャットと似て非なる存在

インターフェイス、そして使用時の表示画面構成が似ているところから、LINEなどのチャットツールと勘違いされがちではあるが、ツイッター(Twitter)は基本的に「ブログの集合体」であり、それをチャット的に見せているだけに過ぎない。かつてツイッターが随所で「ミニブログ」と呼ばれていたことを思い起こす人も多いはず。そしてその仕組みこそがツイッターの最大の特徴ではある。

しかし日本ではチャットツールのLINEが大いに広まったこともあり、(他国で多様なメッセンジャーが浸透した状況と同様に)チャットと同じような機能構成であると勘違いしている、あるいは無意識に思い込んでいる節がある。世間一般の人だけでなく、有識者と呼ばれる人、そして各議会の議員先生や侍業の方々に至るまで、その状況は違えることが無い。

無論LINEのようなチャットシステム、Facebookのような一部閉鎖的ソーシャルメディアでなら何を語ってもよいというわけではないが、後者はともかく前者は「口頭による電話でのやりとり」のようなものであることから、その中で語られたことが外に漏れた(当事者が拡散した)としても「チャット内での話だから」とかわすことも不可能ではない(ただし現実の情報をチャット上で暴露し、そのチャット内容を外に漏らした場合は別。コンビニやファストフードでの写真炎上騒動が良い例)ものの、ツイッターの場合は事実上不特定多数の第三者への公知が前提となっているため、それも不可能。

例えるならチャットでのやりとりは自宅内での会話、ツイッターは学校や仕事場の昼休みにおける食堂での雑談(しかも大きな声を挙げて)のようなもの。前者は他人がそれを盗聴し広めた場合、その真偽性なども合わせ内容について責任を回避できるものの(自宅内の独り言にまで他人から文句を言われたらたまったものではない)、後者は第三者に聞き耳を立てられ、周囲に情報が拡散されても仕方がない。

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つまりツイッターにおける書込み、発言はオープンタイプのブログに書き込みをしたのと同じ。

しかもブログよりも話は拡散されやすく、周知される度合いも大きい。「フォローされている人が少ないから大丈夫」との考えも甘い。検索などを経てあっという間に広がる可能性も多分にある。「ヤフー提供のツイッターのツイートに関するリアルタイム検索」で、あっという間に特定キーワードのツイートは集約され、選択され、そして公式リツイートなどを経て広範囲に広がっていく。

「はずだった」「つもりだった」では済まない

「一部の人のみに向けたつもりだった」「独り言のはずだった」との説明、言い訳は通用しない。鍵付きアカウント(特定の許可した人のみ内容が閲覧できるようにする。要はクローズドなチャット状態にする機能)にすればある程度は回避できるが(第三者が事実か否かを検証するすべがない)、公知内容次第ではある。

そして使いやすさや他人の挙動から、ツイッターではついつい気軽に軽はずみな、余計なことまで語ってしまう感がある。不特定多数の気ままな戯言がずらりと自分のタイムライン上に表示されるので、ならば自分も……と集団心理的な誘惑に駆られしまう。しかしその発言は多くの人にさらされ、突っ込まれる可能性がある。特に名前を、肩書をもって業を成している人には、注意を願いたいところ。

肩書を公知した上でアカウントを取得し利用した場合、その発言は個人のものであると共に、肩書を背負った上でのものとなることに、注意しなければならない。例えば「誠心誠意をもって貴方の法令上のサポートをします」と公言する弁護士が、脱税指南や反社会的な内容を次々とツイートしたら、多数の人が幻滅してしまう。さらには肩書にも傷がつき、信用も損なわれてしまう。その上業界全体のイメージダウンにもつながる。昨今の議員先生や侍業、いわゆる「識者」と呼ばれる方には、この類のパターンを少なからず見受けることがあるので、くれぐれも留意してほしいものである。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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