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信じがたい、入院での貴重体験あれこれ

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 病院は一種の別世界。そこで得られる経験もまた……

日常世界から切り離された時を過ごすことになる病院での入院。その非日常性の中でさまざまな経験をするが、時には「漫画みたいな話だ」と思うようなことも生じる。ライフネット生命保険が2014年9月に発表した「入院に関する調査結果」では、その実態を垣間見ることができる。

次に示すのは入院経験者における、普段では入院経験を得て実体験した、想定しにくい、珍しい出来事。あくまでも設問側の提示内容に対する「ある」「ない」を述べただけで、他にも多種多様な不思議体験・珍妙体験はあるだろうが、今件でも驚かされる、目を疑う内容のものが並んでいる。

↑ 入院中や退院後にした珍しい経験(複数回答、一部)(入院経験者限定)
↑ 入院中や退院後にした珍しい経験(複数回答、一部)(入院経験者限定)

公開された選択肢では多くの経験者がいるものは「他の患者と退院後も仲良くなった」。入院経験者の大よそ7人に1人が体験している。大部屋でほとんどの時間をベッドで過ごすことになれば、当然同部屋の他患者との間でやりとりが生じる。寄宿生活や修学旅行をしているようなものと考えれば、容易に理解は出来る。さらに同じような病症の人が同じ病室に入るのだから、話題も共通し易い。病症や食事、看護師に対する意見などなど。「これも何かの縁」とばかりに、交流のきっかけとなることも多々あるのは当然の成り行き。

新たな出会いが生まれるのと方向性は近いが、こちらはむしろ偶然的内容が「知り合いが同じ病院に入院していた」「他の患者と自分の間に共通の知り合いがいた」。前者は病院が周辺地域の患者を入院させることが多いため十分にあり得るし(例えば別々の大学に通うようになって疎遠だった幼馴染)、「共通の知り合い」は他の患者へお見舞いに来た人が知っている人だったというパターン。

他方、病院関係者と親しくなる事例も少なからず報告されている。「退院時に医師・看護師に手紙やプレゼントをもらった」との事例は案外多く4.4%、大よそ23人に1人。また、入院がきっかけで医師や看護師と付き合い始めたり、さらに結婚にまで至ったというパターンもある。似たようにお見舞いがきっかけで付き合う、結婚する例もゼロではなく確実に存在している。

お見舞い・医師などを合わせると「お付き合い」は3.0%、「結婚」は0.8%(単純に足し算の結果にならないのは、重複があるため)。世の中には色々な場が出会いのきっかけになるものだという現実を確認させられる次第である。

……無論、125回(0.8%=125分の1)入院すれば看護師や医師と結婚できるというものでもないので、念のため。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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