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いまどきの小中学生の習い事と将来の夢とは!?

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 全身運動となることからスイミングスクールは小学生の習い事として人気が高い

小学生はスイミングやピアノ、中学生は学習塾

小学生時分では情緒教育のため、芸術的センスの育成が目的で、体力の拡充を図るため、そして子供同士の付き合いの場の提供などといった保護者の思惑から、多様な習い事に通う機会が多い。その現状や、今の子供達の将来の夢について、英会話のGabaが2014年7月に発表した、小中学生を末子に持つ保護者に対して行われた調査「小中学生の教育とコミュニケーションに関する保護者調査」の結果から、確認をしていく。

まずは回答者の子供が現在いかなる習い事をしているかについて。公開データは上位5位のみだが、その中で最上位は、小学生低学年ではスイミング、小学生高学年では学習塾との結果となった。

↑ 子供が今どのような習い事をしているか(複数回答、上位抜粋)
↑ 子供が今どのような習い事をしているか(複数回答、上位抜粋)

小学生低学年では、習い事として主流なのはスイミング。調査対象母集団の3割近く、28.0%が自分の子供をスイミングスクールに通わせている。体育の授業においてアドバンテージを得られるだけでなく、健康増進など多方面の効果が得られるとはいえ、ここまでの普及率を見せているのには少々驚かされる。

次いで多いのはピアノで16.3%。男女別の値は公開されていないが、多分に女子によるものだろう。そして英会話、書道が続く。

小学校高学年となると、中学受験の機会がある人はもちろん、そうでない子供も学校での勉強への注力度合いが増すため、学習塾に通わせる事例が増加する。約2割、30人クラスなら大体6人が学習塾通いとなる。スイミング、ピアノ、書道などはいずれも低学年と比べてその値を減らす。

中学生ではスイミングスクールに通う事例はほとんど無くなり、ピアノや英会話、書道も1割を切り、ごく少数派に。そして学習塾は3割を超える。小学生はアート・運動系、中学生になると学問一本やりといった、学校に通う以外の補助教育部分での親子の(主に親の)考え方が透けて見えてくる。

小中学生が自分の将来像をイメージすると?!

次に示すのは「子供達自身が将来何になりたいか」との問いへの回答。この類の話は、回答時点における社会全体の風潮、子供の世界におけるトレンド、景気動向など多種多様な要素が反映され、非常に興味深い。例えばサッカーブームの時にはプロサッカー選手が上位に来るという具合である。

↑ 子供が将来何になりたいと言っているか(中学生、複数回答、上位抜粋)
↑ 子供が将来何になりたいと言っているか(中学生、複数回答、上位抜粋)

男子の最上位は「サッカー選手」、次いで「野球選手」とスポーツ系プロ選手が上位を占める。両者間の子供(男子)の世界における人気度合、あこがれ度がそのまま象徴されているようであり、その順位と回答率まで合わせ、大変参考になる値といえる。次いで「エンジニア」、さらには「公務員」が続く。

「電車・バスの運転手・運転士」も上位入り。恐らく上位陣に入っているであろう建機の操縦者などと並び、運転手系のお仕事は子供にとってあこがれの的であるのは、昔も今も変わらない。

一方女子で圧倒的な支持率を得ているのが「ケーキ屋・パティシエ」。4人に1人が将来の職として希望している。自分が好きなスイーツを創れる、ビジュアル的にもきれいな、デザイン的な要素が多分にあるところから、センスを活かした仕事でもあるため、こちらも昔から変わらず女子に人気の高い職種。それに続く「学校・幼稚園・保育園の先生」も、定番の職種ではある。母性本能がくすぐられるのだろうか。

自分の将来像をさらに具体的に描き、それを基に指針を定めて行動するようになるのは、多くは高校生になってから。一部は自ら望んだ職を追及するため、中学卒業後に専門の学校に通う場合もある。高校生に対して同じような質問をしたら、どのような結果が出るのだろうか。そのような趣旨の調査結果を確認できる機会があれば、紹介・解析したいものだ。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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