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小学生高学年でも1割近くのタブレット型端末保有率

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 廉価版も多数登場し雑誌のようなお手軽さが出てきたタブレット型端末だが……

スマホ1/3、タブレット1/6…中学生のデジタル端末事情

スマートフォンに続き浸透を進めているタブレット型端末。小学生ではむしろスマホ以上の保有率を示しているとの調査結果が出ている。これは英会話のGabaが2014年7月に発表した調査結果「小中学生の教育とコミュニケーションに関する保護者調査」によるもので、子供(小学生か中学生)自身にではなくその保護者が回答している。

次に示すのは、その子供のスマートフォン・タブレット型端末の保有状況。子供自らが購入した以外に、保護者が買い与えた・貸し与えた事例も合わせ、子供が主体として保有している割合を示している。普段は保護者が使い、子供が必要とする場合に貸し与えるパターンは主体が子供ではないため、今件には該当しない。

↑ 子供にスマートフォンやタブレット型端末をもたせている(保有させている)か(保有者率)
↑ 子供にスマートフォンやタブレット型端末をもたせている(保有させている)か(保有者率)

小学生低学年の時点ですでにスマートフォンは2.4%、タブレット型端末は5.1%が保有。昨今ではタブレット型端末を子供用の玩具として持たせる保護者が多く見受けられる。今件もまたそれを裏付ける話で、小学生ではスマートフォンよりもタブレット型端末の方が保有率が高いとの結果が出る形となった。小学生高学年ともなると、1割近い子供がタブレット型端末を保有していることになる。自宅内での利用が基本となるため、保護者の監視がし易いのも一因。

中学生になると子供自身の携帯電話に対する需要が高まるため、スマートフォンの保有率が一挙に上昇、タブレット型端末とポジションを逆転する。だがタブレット型端末も保有率をさらに上乗せしている。今調査対象母集団に限れば、中学生ではスマホが1/3・タブレット型端末が1/6という保有状況が確認できる。

未保有保護者の「いつならOKか」

一方、現時点ではまだ子供にスマートフォンやタブレット型端末を持たせていない保護者も多い。その人たちは、いつになったら持たせても良いと考えているのだろうか。見方を変えると「いつ頃子供はスマートフォン・タブレット型端末を保有すべきと考えているのか」とも読み取れる。

↑ スマートフォンやタブレット型端末をいつまでに持たせたいと思っているか(持たせていない保護者限定)
↑ スマートフォンやタブレット型端末をいつまでに持たせたいと思っているか(持たせていない保護者限定)

スマートフォンは高校生の入学時が最多回答で42.8%。他調査でも似たような結果が出ており、スマートフォンは高校生の入学タイミングでと考える保護者は多数に登るようだ。

他方タブレット型端末では「持たせたいと思わない」が最多回答で68.9%。金銭的理由、必要性など多種多様な理由があるのだろう。まだ持たせていない保護者の多くは、タブレット型端末を子供が使う事には否定的とも考えることもできる。スマートフォンよりは安全だが、保護者の目が行き届きにくい場所で、パソコン並の環境を有する状況は好ましくないと考えているのかもしれない。

今件はあくまでも「(保護者が)持たせたい」との設問。子供がアルバイトで稼いだお金で購入する、あるいは卒業して就職し、その給与で調達するなどは別問題。「持たせたいと思わない」には単純に保有そのものの否定ではなく、「大学生以降なら自己責任」などの、リミッター解除の期間が単純に「高校生まではアウト。それ以降は自分の責任で」との考えが多分にあると見た方が良い。永遠に持たせたくないという縛りは、非常識な感はある。

やや余談になるが、今調査対象母集団全体では14.9%の子供(小中学生)がスマートフォンを持っている。残りの85.1%のうち、30.1%+4.1%、つまり全体比で29.1%の保護者は「少なくとも子供が高校を卒業するまではスマートフォンを持たせたくない」と考えている。調査によってぶれが生じるものの、現状で高校生のスマートフォン保有率は7割から8割。大体現状は保護者の意向に沿った保有状況となる。

もっとも現時点で高校生のスマートフォンの利用・保有率は、漸次上昇する動きを示している。1、2年後に同じ調査をしたら、保有状況、そして保護者の心境はどのような変化を見せることになるだろうか。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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