Yahoo!ニュース

他人が気になる働き人の昼食時間とその過ごし方

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 午後の激務に備えてちょっとリッチなランチタイム、というのも……

昼食時間、男女差は約8分

就業時間中では数少ない、まとまった長さの休みが取れるのが昼食時間。昼食を取るのはもちろんだが、ちょっとした休息を楽しむ、気分転換を図るなど、午前中までの働きの疲れをいやし、午後からの就業に備えて鋭気を養う時間でもある。その昼食時間に、就業者達はどの位の時間を費やして食事をこなし、さらに他の行動をしているのだろうか。サラリーマンの小遣い事情を中心に活動様式を探る、新生銀行の定点観測的調査報告書「サラリーマンのお小遣い調査」から、その謎(!?)に迫ることにする。

まずは昼食にかける平均時間。これは純粋に食事をする時間。昼食用として企業から用意されている時間(ランチタイム、お昼休み)を意味しない。

↑ 昼食にかける平均時間(勤務日、分、2014年)
↑ 昼食にかける平均時間(勤務日、分、2014年)

男性は50代でやや長めだが、大体22分前後。意外にも年齢による差異がほとんど出ない。健康療法的意味合いから、歳を経るほどゆっくりと時間をかけて昼食を取るイメージがあるが、実態としてはそうでもない。一方女性は男性と比べて8分ほど長い30分。これは後述するように、女性が多分に昼食を単なる食物の摂取に留まらず、コミュニケーションの機会としての認識が強くあり、その分長い時間が必要なのだと考えられる。食事そのものを味わいたい、グルメ志向も強いのだろう。

食事以外の過ごし方は

男女間の食事という意味での昼食、そして食事も含めた昼食時間の過ごし方について、食事そのもの以外の行動を複数回答で尋ねた結果が次のグラフ。男性の世代別動向は上位3位までのみの公開なため、随分と間がスカスカのグラフになってしまっている。一方で男性世代別は全世代で上位項目が「インターネットの閲覧」「昼寝や休息」「仕事の続き・しながら」が占めており、行動様式の普遍化が確認できる。

↑ ランチタイムの過ごし方(勤務日、2014年)(空欄は該当属性で4位以下のためデータ不明)
↑ ランチタイムの過ごし方(勤務日、2014年)(空欄は該当属性で4位以下のためデータ不明)

男女共に最多回答項目は「インターネットの閲覧」。男性は47.0%、女性は54.8%。使用機種は限定していないので、パソコン以外に携帯電話(スマートフォン含む)も多分に含まれると考えられる。「お昼休みはウキウキアクセス」は、男女とも共通の過ごし方。

変動があるのは第2位以降。男性に限ると、若年層が「仕事の続き・しながら」が多く、歳を経ると「昼寝や休息」が第2位に浮上する。若年層のうちは就業時間中にノルマを果たし切れず、ランチタイムでも手がけなければならないほど忙しくなるということか(先輩諸氏の目が怖いのも一因かもしれない)。あるいは歳を経ると時間の割り切りもしっかり出来る、ということなのだろう。

他方女性は男性の第2位・第3位項目を振り切る形で「同僚とのお喋り」「メール」が上位に入る。男性もこれらの行為に時間を割いてはいるものの、優先順位は低い。女性はランチタイムを休み時間と割り切り、コミュニケーションに没頭しているのが分かる。食事そのものですら多分に同僚などと対話を楽しみ、それ故に男性よりも長い時間となる。ある意味、女性は男性よりも世渡り上手で時間の切り盛り・割り切りに長けているようである。

■関連記事:

職場での昼食代、平均額は500円玉1枚より上か下か?

職場の昼食誰と食べる? 男性一人で、女性は同僚と

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

不破雷蔵の最近の記事