前年比369人プラス、2014年6月の熱中症による救急搬送者数は4634人
6月搬送者数は4634人、前年同月比369人増
総務省消防庁は2014年7月17日、同年6月の熱中症を起因とした全国の救急搬送の状況(確定値)を発表した。同年6月における熱中症による救急搬送者は全部で4634人となり、前年同月の4265人と比べ、369人増加している。これは毎年6月分の計測を始めた2010年以降では、2011年の6980人に続いて2番目に多い救急搬送人員数となった。
今年の6月は中旬を中心に低気圧が本州を覆い、記録的な大雨が降った地域も随所で見られ、崩れた天候となった日々も多かった。しかしそれをのぞけば概して日差しは強く、高温な空気が中国大陸から流れ込んできたこともあり、暑い日々が続いた。特に6月初旬、そして下旬においては各地で気温が大きく上昇し、単週での熱中症搬送者数も跳ねている。また26日には沖縄地方での梅雨明けも宣言され、同地域での搬送者数も多数確認される事態となった。特に沖縄では青天下での真夏日が相次いでおり、単週での都道府県別搬送人数で最上位を示す週も生じるほどとなった。
今回の発表によれば、2014年6月の全国における熱中症による救急搬送人員(救急車で医療機関に搬送された人)は4634人。昨年2013年の6月における4265人と比較すると8.6%増。やや大きめの増加を示している。
昨年と比べるとすべての年齢区分で人数は増加した。特に少年での増加が著しい(前年比で約30%の増)。6月はまだ各学校が夏期休暇に入っておらず、集団活動の機会が多く、そのために熱中症で倒れる事案が発生したものと考えられる。上記沖縄県の事例でも、該当週では中学校で陸上大会の最中に熱中症による搬送者が複数発生した事例などが報じられている。
搬送時の傷病程度別動向を確認
搬送時の初診傷病程度は次の通り。やや起伏はあるが、平均すれば少しずつ中等症以上の重い病症率は減少している。搬送が必要な状況が第三者に確認されても、軽度のうちに連絡が成された事例が増えていると見れば、悪くは無い傾向といえる。とはいえ、中等症以上(入院が必要な状態)で搬送される事例が今なお3割以上あることは、憂慮すべき事態に違いない。
自分自身への熱中症に係わる注意を怠りなくするのと共に、自身の体調に異常を感じたらすぐに水分補給、涼しい場所への移動、楽になる姿勢を保つなど、各種対応を行うのは当然の話。最優先事項として実行してほしい。そしてそれだけでなく、身の回りに体力の不安な人、身体の衰えなどの理由から適切な反応が期待できない人が居る時には、積極的に声をかけるなどして、自分以外の人においても熱中症の発生を極力防ぐ姿勢を望みたい。
なお今回の確定報により、2014年6月(夏期)における搬送者数総計は4634人となった。あらためて累計人数を記しておく。
今年は当初エルニーニョ現象の影響で冷夏予想がなされていたが、それも秋口にずれ込むと予想修正がなされ、夏の暑さは直近では例年通りとの予想となっている。現状では気温動向はほぼ例年通りで、その一方で電力需要状況は昨年よりも厳しいことから、各方面で昨年以上の警戒が取られている。
6月の熱中症によるものと見られる救急搬送人員は昨年を超える形となった。2011年には及ばないものの、憂慮すべき事態には違いない。7月も気候状況次第では同様に前年値を超えるだろう。「体調管理」との全般的な視線で自分の、そして周囲の体を気遣い、その中で熱中症に対する注意と配慮をしてほしいものだ。
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