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Facebookが一番大切…米ソーシャルメディアの併用状況

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ アメリカでは他のサービスを使っていても、結局Facebookが一番、のようだ

株式上場も果たし世界最大のソーシャルメディアとして知られるFacebook。その発祥の地であるアメリカにおける普及具合は、多様なイベントでFacebookの利用が前提となっていることからも一目瞭然。まるで電話や自動車のような「使えて、(アカウントを)持っていて当たり前」の状況とすら表現出来る。

アメリカの大手民間調査機関Pew Research Centerが2013年12月に発表した、同国のソーシャルメディア関連の調査結果によると、成人のネット利用者のうち7割がFacebookを利用している計算になる。ネット非利用者まで考慮しても6割近い比率である。

↑ ソーシャルメディア利用経験(米、ネット利用者限定)
↑ ソーシャルメディア利用経験(米、ネット利用者限定)

このFacebookの優位性は、単独のソーシャルメディアとしての普及度合いだけでなく、他のソーシャルメディアとの併用状況でも明確な形として結果が出ている。次のグラフは主要5ソーシャルメディアにおける、併用度合を示したもの。例えばTwitterを使っている人はTwitterだけを使っているのか、他にInstagramやFacebookも併行して使っているのか、という状況を確認できる。Twitterの項目ではInstagramが53%と出ているので、「Twitter利用者のうち53%はInstagramも使っている」と読む。

↑ 各ソーシャルメディア利用者における併用利用の他ソーシャルメディア(米、2013年8月)
↑ 各ソーシャルメディア利用者における併用利用の他ソーシャルメディア(米、2013年8月)

グラフからはFacebookの併用性の高さが一目で分かる。他の4つのソーシャルメディアの利用者いずれもが、8割台から9割台でFacebookも使っており、Facebookの部分だけが突出している。実質的には飲み屋でのビールのごとく「とりあえずFacebook、そしてツイッター」的な状況でソーシャルメディアが使われている状況といえる。

そのFacebook自身では、他のサービスの併用具合は2割程度でしかない。Facebookを利用する人は多分にFacebookのみを使い、他のサービスには見向きもしない様子がうかがえる。少々前にFacebookの普及状況に関して「若年層のFacebook離れ」「Facebookはもうオワコン」的な話が世間を騒がせたが、少なくとも今件データを見る限り、ソーシャルメディア界隈において「定番中の定番」的なポジションはゆるぎないもののように見える(もっとも調査期間が昨年夏なので、それからほぼ半年経過した現状で、多少なりとも利用性向に変化が生じている可能性はある)。

またFacebookの動向以外に面白い動きを示しているのは、TwitterとInstagram。Instagramは他のソーシャルメディアとの連動性が高い、動画や写真の共有アプリ。Twitter以外にFacebookやTumblrなどとの連動性も有しているが、Facebook以外ではTwitterとの相性が飛び切り良いようだ。レポートでも「Facebook絡み以外では最高の相性を見せている」と特筆しており、注目に値する。

日本ではInstagramの普及はアメリカほどではない。しかしツイッターの普及率がアメリカより高い現状を見ると、相性の良いInstagramもまた、次第に普及率を高めていくかもしれない。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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