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「タブレット機は不要」その理由とは

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ タブレット機、いる? いらない? 不必要な人の理由を探る

ノートパソコンよりも機動性に優れ、スマートフォンよりも画面が広く操作が容易。搭載OSの上ではスマートフォンの大型版との解釈もできるが、Windos 8搭載の機種になるとその区分にも疑問符がつく。オプションのキーボードを付ければ「タッチパネルが使える、より機動性の高いノートパソコン」と評してもあながち間違いではない。

その柔軟性の高さから、そして昨今ではiPadだけでなくAndroid OSを搭載した安価な機種が多数登場し、さらにアマゾンもKindle端末の一環として展開をはじめるにあたり、タブレット機は急速に普及を進めつつある。一方、この流れの中でも、現在はもちろん将来もタブレット機を持つつもりが無い、「タブレット機不要論」を抱く人も少なくない。

ライフメディアのリサーチバンクが2014年1月15日に発表したタブレット周りの調査結果によると、現在タブレット機を持っていない人は81%。そのうち半数以上は「タブレット機不要論者」という値が出ている。

↑ 今後、タブレット機を購入・利用したいか(現在持っていない人限定)
↑ 今後、タブレット機を購入・利用したいか(現在持っていない人限定)

この「タブレット機不要論者」に、不要とする理由を聞いた結果が次のグラフ。「パソコンがあれば良い」とする回答が最も多く、7割強に達していた。

↑ なぜタブレット機を購入・利用したいと思わないのか(複数回答、タブレット機を購入・利用したいとは思わない人限定)
↑ なぜタブレット機を購入・利用したいと思わないのか(複数回答、タブレット機を購入・利用したいとは思わない人限定)

タブレット機は「ノート系パソコンとスマートフォンの中間的なポジション」にある端末で、スマートフォン以上のパソコン的機能を高い機動力のもとに使いたい場合に活躍する。それは同時に、そのような使い方をしない、必要がない場合、パソコンがあれば十分ということに他ならない。第2位の「自分に必要だと思わない」も内容的には似たようなもので、要は「必要となる場面が想像できない」から、タブレット機は要らないという結論に至っている。

「パソコンとスマホの中間的な存在だから、パソコンが使えればそれでいい」が最上位の回答。それと対になるのが第3位の「スマホがあれば良い」。主に機動性を求める使い道としてスマートフォンで充足されているので、それ以上のものは必要が無いというもの。第2位の「自分に必要だと思わない」の一部は、この「スマホがあれば良い」とも重なっているとの見方もできる。

続く理由は「価格が高い」「バッテリーの持ちが悪そう」「WiFiなどの環境が無い」「操作性が悪そう」など、タブレット機そのものの性能面での問題を挙げて、必要性を否定している。しかし回答率はさほど高くない。

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つまり「タブレット機不要論者」の多くは、現状のタブレット機の性能にさほど文句があるわけでは無い。入手しても持て余すのがオチとなることを想像できる、何に使うのか分からないからこそ、不必要の判断をしていることになる。使うつもりがないものをわざわざ買うのは酔狂というもの。

見方を変えれば、今後「タブレット機不要論者」の心が傾くような、「パソコンでもスマートフォンでも利用が難しい」タブレット機向けのアプリやツール、あるいは使い方が提唱されることで、タブレット機の普及は大きく弾みが付く可能性はある。そのような「劇的な変化」をもたらすトリガーの登場を待ちたいところだ。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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