「他の人は?」気になる新聞購読者の購読場所と購読数
新聞購読者のほとんどは自宅で定期購読
今なお重要なメディアには違いないが、各種調査や新聞社公開の発行部数、さらには交通機関内で新聞を広げる人の様子から、新聞が勢いを減じているのは誰の目にも明らか。一方で新聞は公共機関で読まれる情景以外では、他人の購読スタイルを推し量る機会はあまりない。精々隣近所のポストに投函されるようすを見て、購読しているか否かを知れる位。果たして新聞購読者はどこで新聞を買い、何紙を読んでいるのだろうか。
次のデータはライフメディアのリサーチバンクが2013年10月付で発表した、新聞に関する調査結果からのもの。それによると紙媒体の新聞を読んでいる人は約2/3の66.9%だが、そのうち85.2%と大半の人は自宅で定期購読している。継続購読している、いわば固定ファン的な層が多数を占めていることになる。
試算をすると大人全体のうち57%ほど(66.9%×85.2%)は、自宅で新聞を定期購読している計算になる。男女別では女性の方が自宅購読者が多いが、これは男性が会社でも読む機会が多いのに対し、女性は勤務労働者が男性と比べて少なく、世帯単位で購入している新聞に目を通すパターンが多いから。
複数紙購入は少数派
新聞購読者の多数を占める自宅購読者だが、一体何紙を購入しているのか。
9割は1紙のみ。2紙購入する人も7%強いるが、これは大手全国新聞紙と地方紙、全国紙を2紙購入しての読み比べ、地方紙と業界専門紙(例えば日刊工業新聞や電波新聞など)など、色々な組み合わせが考えられる。あるいは業界紙のみを複数購入しているかもしれない。
3紙以上自宅で定期購読する人もいるが、ごく少数。仕事などの事情、または新聞購読を趣味としている人でない限り、3紙以上の定期購読は想定しにくい。付き合いなどで契約させられている場合もありうるが…。
ちなみに今件調査はほぼ同様の趣旨のものが2年前の2011年10月にも実施されていて、比較が可能。
2回分のみなので断定は出来ないが、自宅での新聞購読者の間でも、複数紙から単数紙への切り替えが進んでいる。金銭的な余裕がないのか、複数チェックをしやすいデジタル系へ移行したのか、理由までは特定できないものの、興味深い動きではある。特に「比較購読」の事例では比較をしやすいデジタルへの移行は十分に考えられる。全部の購読を止めなくとも、1紙を詳細まで読み通し、他の新聞は斜め読みという購読スタイルなら、後者についてはデジタルに移行した方が面倒が無くて良いと考える人も多いだろう。
新聞自身定期購読率も減少する中、購読紙数まで減っている。これでは新聞の発行部数が減らざるを得ないのも致し方あるまい。
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