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6割強のLINE、2割を超えるツイッター、そしてmixiは…高校生のソーシャルメディア利用実態

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 場所を問わずにスマホでソーシャルメディアにアクセス。ではその対象は?

大手携帯キャリアで新機種がスマホばかりなのも一因だが、先日の「高一スマホ保有率84%」の衝撃にもある通り、スマートフォンは高校生界隈にも急速に広まりつつある。そしてそれと共に浸透が進んでいるのがソーシャルメディア。ツイッターのようなチャット系のもの、FacebookやmixiのようなSNS、そして厳密にはソーシャルメディアとは言い難いものの様式的にはツイッターに近しいLINE。コミュケーションサービスとして、多種多様なものが用意されている。

次に示すグラフは、通信添削事業などを展開するZ会が2013年4月から7月にかけて「インターネットあるいは調査票を利用した」調査方式(選択式)によって全国の高校生を対象に行った結果によるもの。スマートフォンなどを所有していない人も調査対象なので、SNS(今件ではソーシャルメディア)未利用者には、単にアクセスしないだけの人の他に、「スマホが無いので利用しない・できない」人も含まれている。

↑ 利用しているSNS(複数回答)(高校生対象)
↑ 利用しているSNS(複数回答)(高校生対象)

最大利用率を示したのは「LINE」。低学年ほど利用率が高く、高一では7割を超えている。高学年になるに連れて利用率は下がるが、高三でも6割近くの利用率。「LINE」の高校生への浸透ぶりが再認識できる。

一方「ツイッター」は高一では利用率が13.7%だが、高二以降は利用率が3割を超えている。「Facebook」も、やや利用率は低いものの同様な動きを示しており、両者は高学年ほど利用者が増えている。中には「LINEからの移行組が利用し始めている」事例もあることを考えると、「ツイッター」の利用度が上昇していくのも理解は出来る。

かつて日本国内のSNSとして最上位のポジションを有していた「mixi」は、利用者は1割にも満たない。利用年齢制限は15歳以上なので、高校生は制限されることなく利用できるはずなのだが、今の高校生にとって「mixi」は魅力的なコミュニケーションツールとして受け止められていないようだ。

「LINE」の高利用率は容易に想像が出来たが、学年の上昇と共に低下傾向にあることは要注意の動き。内輪的なつながりでの満足から、外への好奇心が沸き起こることの表れかもしれない。もっともこれは、「LINE」の普及そのものがこの一、二年の間の話であること(そしてほぼ同時にスマートフォンの急速な普及も進んでいること)を考慮すると、「LINE」を知る前に「ツイッター」や「Facebook」を(多分に一般携帯電話で)利用して、機種変などを果たしても、引き続きそれらのコミュニティでのやり取りに没頭している可能性もある。

なにしろ「LINE」「ツイッター」「Facebook」などのソーシャルメディアも、突き詰めればコミュニケーションツールでしかない。利用側には「何を使うか」では無く、「誰と交流できるか」が大切なのであり、現状でのつながりが維持できれば、端末の機種やツールなどは二の次、三の次でしかないのだから。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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