PGAツアーの来季日程、予選カット無しが8試合だが、早くもT・ウッズの影響力!?
「一体、これからどうなるのか?」と先行きが案じられているPGAツアーの2024年シーズンの日程が固まった。8月8日の正式発表に先駆け、米ゴルフウィーク誌が事前に入手し、報じた。
来季からは、かつてのように1シーズンがカレンダーイヤーに戻り、1月からの開幕となる。レギュラーシーズンは39試合、プレーオフ後のポストシーズンは8試合が予定されている。
そして、今年は賞金総額2000万ドル級で「格上げ大会」と呼ばれているビッグ大会が、来季はおそらくは「シグネチャー・イベント」という名称にあらためられた上で、合計12試合、開催される。
来季からの最大のチェンジは、その「シグネチャー・イベント」12試合のうちの8試合が、予選カット無しの4日間72ホールの形式に変わることだ。
だが、そのビッグチェンジも、実を言えば、大幅に緩和されたもので、今年3月ごろまでは、12試合のうちプレーヤーズ選手権を除いた11試合が予選カット無しに変更される見込みだった。
しかし、実際に予選カット無しとなるのは12試合のうち8試合となり、4試合だけは、従来通り、36ホール後に予選カットを行なう形式が死守されることになった。
その4試合とは、「第5のメジャー」プレーヤーズ選手権、「タイガー・ウッズの大会」ジェネシス招待、「ジャック・ニクラスの大会」メモリアル・トーナメント、そして「アーノルド・パーマーの大会」アーノルド・パーマー招待だ。
プレーヤーズ選手権だけは、従来通りのフルフィールドで行われるが、レジェンドの名を冠した招待大会の3つは、80名前後が出場し、50位タイまでが決勝に進出する形式になる予定だという。
今年の春までは、12試合中11試合で予選カットが廃止されると言われていたというのに、蓋を開けてみれば、4試合において予選カットが維持継続されている。
なぜ、PGAツアーの方針が大きく変わったのか。その答えは、「タイガー・ウッズの影響だ」と米メディアは見ている。
一昨日、ウッズがキャリアで初めてPGAツアーのプレーヤーズ・ディレクターに就任し、理事会メンバーに加わることが発表された。正式就任はこれからだが、「プレーが悪かったときは、ペナルティが伴うべきだ」として、予選カットの必要性を説いてきたウッズの強い意向が早くも反映されたと見るのが妥当だ。
これら4試合以外の8試合は、ハワイで開催されるシーズン開幕戦のザ・セントリー(旧セントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズ)を筆頭に、AT&Tペブルビーチ・プロアマ、RBCヘリテージ、ウエルスファーゴ選手権、トラベラーズ選手権、そしてプレーオフ3試合で、これらは予選カット無しとなる。
今季の「格上げ大会」は、ランキング上位のいわゆる“トッププレーヤー”に出場義務が科されているが、来季からの「シグネチャー・イベント」には出場義務は伴わないことになる。
スポンサーが未定の大会が2つもある点が少々気になる。旧ホンダクラシック、旧バーバソル選手権の2試合は、いまなおタイトルスポンサーを模索中。
リブゴルフを支援する「PIF」との統合合意によって、平和が訪れるどころか、むしろさらに揺れているPGAツアーに落ち着きが戻るまでには、まだまだ時間がかかりそうだ。