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サマソニで観るべき! 日本とイギリスを結ぶ3人組音楽集団、ケロケロボニト

ふくりゅう音楽コンシェルジュ
ケロケロ・ボニト(ジェイミー、セーラ、ガス)

時折聞こえる日本語詞がクセになる、インターナショナル“TANOSHI”サウンドを届ける3人組音楽集団。

ケロケロボニト(Kero Kero Bonito)って知ってますか? 国内最大級の都市型ロックフェス『SUMMER SONIC 2017』(8/19 東京のみ)への出演が決定した、今夏、日本盤アルバム『ボニトジェネレーション』をリリースしたばかりの、いま要注目の新しい才能なのです。

ケロケロボニトとは、2013年にロンドンのアートカレッジ出身のセーラ(ヴォーカル、ラップ、アート・ディレクション)、ガス(サウンド・プロダクション)、ジェイミー(サウンド・プロダクション)の3人で結成。セーラはイギリスと日本のハーフで日本語もペラペラ。ロンドン在住、ヨーロッパやアメリカ、アジアでライブを行うインターナショナル“TANOSHI”サウンドを届ける若き3人組音楽集団。

ユニークなのが、彼女たちはこれまで日本市場向けに音楽活動をしてなかったにも関わらず、楽曲の歌詞には日本語がちらほら。そんなアンバランスさに欧米の音楽ファンは虜となり、歴史あるグラストンベリー・フェスティバルへの出演や、ステラ・マッカートニーのショーやCMでも起用されるほどの人気というのだから面白い(※日本語を取り入れていた理由は実はけっこう深い)。

中毒性高い独自のポップセンスを醸し出す彼らのスタンスや音楽性に、水曜日のカンパネラのコムアイもいち早く注目しているそうです。

「初めて聞いた瞬間、声の落ち着かないかんじ、女1男2の構成、視覚的なアプローチ、他人とは思えず、ドキッとしました!」

さらにコムアイは、ケロケロボニトの作品性について

「セーラのラップにも彼女のマルチレイシャルな出自が表れているし、バンド自体の音楽性も無国籍なかんじ、国籍だけでなくカルチャーもクロスしている。人間が生きていればそれが当たり前で、それまで積んできた文化のねじれや重なりをそのまま表現に出しているバンド、もっと増えていきそうです。」

とコメントを寄せていました。

様々なアーティストが、夏フェスをきっかけに飛躍のチャンスをうかがっている中、『SUMMER SONIC 2017』では、ケロケロボニトに注目してみてはいかがでしょうか。浅草での一昨年の来日公演を目撃しましたが、ライブも実は骨太なサウンドかつ、キュートなパフォーマンスでオススメできます。それでは、7月に日本盤アルバム『ボニトジェネレーション』がリリースされたことを記念して、日本大好きというメンバー3人のインタビューを掲載します。あ、この3人、話してみると人間性も奥深そうで面白そうです。

日本盤アルバム『ボニトジェネレーション』
日本盤アルバム『ボニトジェネレーション』

メンバー・インタビュー

“きゃりーぱみゅぱみゅがカッコイイよね!”と盛り上がったのがきっかけ

ーーケロケロボニト、結成の成り立ちの話から教えて。

ガス: もともと僕と幼馴染のジェイミーで組んでいて、セーラと出会ったきっかけは、MixBというロンドンに住んでいる日本人コミュニティー向けのオンライン掲示板に、ラッパーを探していると募集をかけたんだ。MixBは語学交流や物件探しの場で、ミュージシャンを探すところではないんだけどね。

ーーガスとジェイミーが日本のポップカルチャーに興味を持ったきっかけは?

ガス:アメリカ人とイギリス人が沖縄で出会って結成したテクノ・ユニット、琉球アンダーグラウンドがきっかけかな。その後、Fantastic Plastic MachineやYMOを知って素晴らしいと思ったんだ。ビデオゲームのニンテンドウ64とプレイステーションも大好きで、電気グルーヴを通じてJ-POPの編曲の素晴らしさを知ったんだよ。砂原良徳とかね。ケロケロ・ボニトとして、もっともインスピレーションを受けたのは脱力ラップのHALCALIかな。セーラの日本語ラップへの影響は大きいかもしれない。あと、日本のヒップホップにもたくさん影響を受けているよ。

ーーどうやって現在の音楽性にたどり着いた?

ガス:僕とジェイミーは15歳の頃からダンス・ミュージックが好きだったんだ。初期はインディー・ミュージックやソウル 、ファンクからの影響が大きいね。セーラが加入した時、どんな方向性を打ち出そうって考えた時に“きゃりーぱみゅぱみゅがカッコイイよね!”と盛り上がったのがきっかけといえばきっかけかな。その1週間前に、イギリスで活躍する日本の3人組ガールズ・パンク・バンドTOQUIWAのライブに、それぞれ別々に行っていたという偶然もあったね。

ーーユニークなバンドの名前の由来は?

ガス:オノマトペな音遊びをしていて思いついたんだ。カエルの鳴き声は日本語だとケロケロ(kero kero)だけど、イギリス英語ではリビッ(ribbit)って言うんだよね。全然違っていて面白いなって。ボニト(bonito)はカツオ。思いつきだよね。kero kero bonito(ケロケロボニト)ってくっつけると、まるでフランス語やポルトガル語のようにも聞こえてさ。そんな意味で国際的であり、どこの人種かわからない無国籍な雰囲気が気に入ってるよ。

ーーセーラの両親は、イギリス人の父と日本人の母だそうだけど、幼少期の日本での思い出は?

セーラ:小学生の頃は名古屋にいて、中学2年生の夏まで北海道の小樽に住んでいました。

イギリスと日本のどちらも自分だってことを表現したかった

ーー今回のアルバム『ボニトジェネレーション』において、歌詞などに当時の日本での生活の影響はある?

セーラ:ロンドンに引っ越すまで、ずっと日本の小さい町で育ってきたんです。なので、突然大きなロンドンに引っ越した時の気持ちが反映されているかもしれません。英語と日本語でラップしているのは、日本を忘れたくないというか、イギリスと日本のどちらも自分だってことを表現したかったんです。

ーー日本語の言葉の良さをどんなところに感じている?

セーラ:日本語は英語と違って表現の仕方がたくさんあるのが面白いと思います。たとえば“あなた”は英語だと“You”だけだけど、日本語だと“あなた”を意味する言葉ってたくさんあるんですよね。

ーーセーラが最近影響を受けた日本語の曲はある?

セーラ:水曜日のカンパネラさん。「桃太郎」を聴いた時に、こんなラップもあるんだと驚かされました。すごく大好きです。リズム感やコーラスが面白いので日本語でも海外に通じると思いますよ。コムアイさんとは『NYLON JAPAN』のWEBで対談をやらせていただいたこともあります。

ーーケロケロボニトはユーチューブを通じた楽曲発表を大事にしている? 動画共有サイトはどんな存在?

ガス:ユーチューブは、ケロケロ・ボニトの音楽を映像に乗せて世界に伝えられる素晴らしいメディアかな。自分たちのコンセプトは、自分らしく等身大であること。それを面白く表現すること。「LIPSLAP」は、過去のツアーで起こった出来事をベースに表現しているよ。ツアー中に撮った「BREAK」は完全に自作自演だったね。

セーラ:ミュージックビデオのディレクションは、わたしとディレクターで話し合って、台本も自分たちで書いて、みんなで作り上げていく感じですね。

ガス:ミュージックビデオは、セーラと外部ディレクターのフィオ・デイヴィスが中心に考えながら世界観を作り上げているね。もともと、bo en(イギリス在住の音楽家)とセーラとフィオが同じアートスタジオで駐車場を借りていて。それがきっかけで、一緒にミュージックビデオを撮ろう盛りあがったんだ。

ーー歌詞で、日本語と英語がミックスされている特徴があるが、日本語がわからないファンからの反応は?

ガス:ライブで面白いのが「Flamingo」、「Sick Beat」 、「BREAK」 では、日本語の意味がわからなくても一語一句聞こえたままに歌ってくれるファンがいるよ。バイリンガルなのは、僕らのオリジナルなアイデンティティーなのかもしれないね。

モノとして所有するかしないかは自分にとってすごく大事なことだね

ーー動画やストリーミング配信の時代になってきたが、ケロケロボニトにとってCDというツールの存在は?

ガス:僕は完全にフィジカル主義。所有するということが大事だと思っている。手に取れるCDを持っていないとサインすることも出来ないしね。レコードやCDは見た目もカッコイイし。CDの裏面は虹色に輝いていて素敵だろ? モノとして所有するかしないかは自分にとってすごく大事なことだね。

ーー2015年に『グラストンベリー・フェスティバル』に参加されてどうだった?

ガス:セーラが観客としてもアーティストとしてもフェスに参加したのが初めてだったんだ(笑)。最高だったよ。「Flamingo」の帽子を被っている人がいたり、ファンがいるんだと暖かい気持ちでライブすることが出来た。メイン・ステージの朝イチだったんだけど、リハーサルの時は人がいないなと心配だったんだけど、ゲートが開いた途端にたくさんの人が流れ込んできて驚いたよ(苦笑)。

残念だったのは、出番が終わった後すぐにパリの公演に直行したので他のアーティストのステージを観れなかったんだよね。移動中、パソコンでカニエ・ウエストの中継は観たけどね。

ーーファッション・デザイナー、ステラ・マッカートニーが、2015年の春夏コレクションでケロケロボニトの楽曲を使用していた経緯を教えて。

ガス:たしかマンチェスターのホテルにいた時に“ケロケロ・ボニトの楽曲を使わせてくれないか?”と、急に電話がかかってきたんだよ。もちろん“いいですよ!”と答えて。そのあと、出版社経由で「Sick Beat」をCMで起用したいって話もきて、嬉しかったよね。

ーーアメリカでのライブの反応はどう?

ガス:アメリカでの反応も最高だよ。先日、デトロイトでライブをしたんだけど一緒に歌ってくれたり、リアクションが良くて驚かされたね。

ーー一昨年、浅草で行ったの日本での初ライブはどうだった?

セーラ:ちょうど、ハロウィンの季節で渋谷の街がとってもクレイジーでした。わたしが日本に住んでいた頃はハロウィンがまだ知られてなかった時代だったので驚きましたよ。イギリスでもノッティングヒル・カーニバルというお祭りがあって、そこは車が走らず、歩行者天国になるんですけど、とっても派手なところが似てましたね。

ガス:浅草でのライブは、気になっていた日本のアイドルhy4_4yhに対バンの声をかけました。日本のアーティストだと、DAOKOも素晴らしいよね。友人なんだけどKiWiもね。あと、DJみそしるとMCごはん、Avec Avecも大好きですね。

ーーなんでそんなに日本のアーティストに詳しいの?

ジェイミー:友人のレコメンドかな。

ガス:グーグル翻訳とユーチューブ、そしてアマゾンジャパンがあれば、世界のどこにいても日本の音楽をいっぱい知ることができるよ。

“僕たちの世代は?”という問いや考えが凝縮されたアルバム

ーー今回、7月に日本デビュー・アルバム『ボニトジェネレーション』がリリースされますが、どんな作品になった?

ガス:新しい世代や古い世代など、様々なジェネレーションについて興味を持って話していたんだ。それこそ“僕たちの世代は?”という問いや考えが凝縮されたアルバムになってるね。

ーーケロケロボニトの楽曲でリスナーに伝えたいメッセージや思いとは?

ガス:人生って真面目に捉えていたらあっという間に終わってしまうと思うんだ。それは馬鹿げていると思う。なので“楽しもう!”っていう気持ちが強いよね。

セーラ:楽曲では、ひとつのことをふたつの意味として表現していることも多いです。イギリス在住だからって英語のみで歌うとは決めていないことにも繋がるかな。私はバイリンガルだから、音楽を作る時に、常にふたつの表現への可能性があると思っています。

ガス:「TRAMPOLINE」の歌詞に、一度転んでも立ち上がるって歌詞があって。それは直接的にトランポリンに乗ったことも意味しているんだけど、倒れても立ち上がれるという、人生についての考えを含んだ比喩でもあるんだよね。

ーーケロケロボニトの活動において夢は?

セーラ:武道館でライブをやりたいな。憧れなんですよ。

ーーでは最後に、来日ライブを心待ちにしているファンに向けてメッセージを。

ガス:We are coming soon…もうすぐ行きます。東京だけでなくて、地方にも行って本当の日本を見たいな。See you everyone!!!

ケロケロ・ボニト / Kero Kero Bonit 公式サイト

http://www.sonymusic.co.jp/artist/kerokerobonito/

ライブ情報

『SUMMER SONIC 2017』幕張メッセ RAINBOW STAGE出演(東京のみ)

日程:2017年8月19日(土)

場所:幕張メッセ RAINBOW STAGE

http://www.summersonic.com/2017/lineup/

Kero Kero Bonito『Bonito Generation』リリース記念 フリーイベント

日程:2017年8月22日(火)

時間:OPEN 18:00/ START19:00

場所:SPACE ODD(東京都渋谷区猿楽町2-11 氷川ビルB1.B2))

http://www.spaceodd.jp/

出演者:Kero Kero Bonito、chelmico(サポートアクト)、DJ YonYon

入場方法:だれでも自由にご参加いただけます。

※Kero Kero Bonitoニューアルバム『Bonito Generation』を購入した方を優先に、先着300名様をご招待。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000779.000013546.html

音楽コンシェルジュ

happy dragon.LLC 代表 / Yahoo!ニュース、Spotify、fm yokohama、J-WAVE、ビルボードジャパン、ROCKIN’ON JAPANなどで、書いたり喋ったり考えたり。……WEBサービスのスタートアップ、アーティストのプロデュースやプランニングなども。著書『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)布袋寅泰、DREAMS COME TRUE、TM NETWORKのツアーパンフ執筆。SMAP公式タブロイド風新聞、『別冊カドカワ 布袋寅泰』、『小室哲哉ぴあ TM編&TK編、globe編』、『氷室京介ぴあ』、『ケツメイシぴあ』など

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