「セスキ」「セスキ水」「セスキスプレー」なんていう言葉が、チラチラ目に入りつつも「セスキって何?」

改めて人に聞いたり調べたりするのも面倒臭いけれど、「セスキ炭酸ソーダ」。100円ショップにも置いてあるし気になっている、という方も多いのではないでしょうか。

100円ショップで扱っている、それなりの理由はありそうです。今回は、「セスキ炭酸ソーダ」のイロハと掃除での使い方についてご説明します。

「セスキ」って何?

写真:アフロ

セスキ、セスキと気楽に呼ばれがちですが、実は「セスキ」だけだとラテン語で「1.5(3/2)」という意味にしかなりません。セスキは「セスキ炭酸ソーダ」ないし「セスキ炭酸ナトリウム」というのが正式名称で、「重炭酸ソーダ(重曹)」と「炭酸ソーダ(炭酸塩)」の中間に位置するアルカリ剤です。

無臭かつ白い粉で見た目も重曹に似ているのですが、実際「重曹」によく似たアルカリの性質をもっています。重曹と異なるのは5%水溶液のpHが9.6〜10と、重曹の約10倍アルカリが強い点。また水にとても溶けやすいという点も大きな違いと言えます。

(ただし「重曹」「クエン酸」同様に界面活性剤が含まれていないので「セスキ炭酸ソーダ」も「洗剤」ではありません。「洗浄剤」という位置付けです。ぜひ頭の片隅に残しておいてください)。

「セスキ炭酸ソーダ」が活躍する掃除場所とは?

「セスキ炭酸ソーダ」の強みである、「水に溶けやすい」「アルカリ性」「においがない」。この特徴を活かせる代表的な掃除ポイントを3つご紹介します。

⒈広域の油汚れ(キッチン等)

写真:アフロ

たとえしっかり換気扇をかけていても、調理中に発生する油を含んだ水蒸気(油煙)は、空気中に広く拡散されやすく、キッチンの壁、天井、家具や家電の表面、裏面などに付着してしまいます。これは時間が経つほどに変色や異臭のもとになりますので、あまり放置はできません。引き出しや扉がついていても、うっすらベタつきが感じられる場合、この油煙が入り込んでしまっている証拠といえるでしょう。

壁や天井の掃除というのは、やってみればわかりますが、実際のところかなり大ごとです。まず面積がイメージしている以上に広い。そうしてその広い面積を、市販の「洗剤」を使って掃除してみると、その減りのあまりの速さに慄きます。

ところで、100円ショップで約180グラム110円で売られている「セスキ炭酸ソーダ」を購入、このキッチン壁等の広域油汚れの掃除をしようと、「セスキ炭酸ソーダ1%水溶液」をバケツ半分程度、約2L分作るとします。

その際のコストは一体いくらになるでしょうか。

答えは約20グラム分なので、たったの12円程度です。

このバケツにマイクロファイバークロスないしは雑巾を浸して絞ったもので壁・天井を拭き、水溶液で濯ぎながら掃除する。ないしは、このセスキ炭酸ソーダ水をスプレーボトルに入れ、ぼろ布などに吹き付けたもので拭き掃除する(ぼろ布は使い捨て)など、やりやすいほうで掃除を行うといいでしょう。どちらにしてもだいぶ安く済みます。

⒉洗いにくいファブリックの皮脂汚れ(ラグマット等)

写真:アフロ

肌触りのいいクッションやラグマットなどのファブリック製品は、居心地よく過ごす時間が長くなればなるほど残念ながら皮脂等で汚れてしまう傾向があります。家庭用洗濯機で洗える素材や大きさであれば良いのですが、専門業者に預けて洗うという選択肢はなかなか現実的でない、でもベタつきが気になる。そんなケースにおすすめなのが「セスキ炭酸ソーダ水」による「拭き洗い」という掃除作業です。

小さめなパイルの薄手タオル(よく粗品で貰うようなもの、できるだけ新しく、白色が望ましい)を用意し、前述のセスキ炭酸ソーダ水に浸してかたく絞り、そのまま、ないしは電子レンジ600Wで1分程度加熱します。そのタオルを使って、ラグマットやカーペット、クッション、布ソファカバーなどの汚れ、ベタつきを「毛足を逆立てるように」意識して拭いていきます。

皮脂が溶けてタオルに移るので、白いタオルが茶色く変色していきます。つねに綺麗な面を出して拭くようにしてください。最後にタオルを清水で濯いだもので、濯ぎ拭きを行い仕上げます。

⒊油脂によるヌルつき(プラスチック製品等)

写真:アフロ

住まいの中にはプラスチックの製品や部品が数多く存在しますが、このプラスチックと油汚れというのは原材料のせいか親和性が高すぎて簡単に落とせないことがあります。

イメージしやすいのは、プラスチック製の密閉容器(お弁当箱など)に残った油系おかずの残滓でしょうか。普通に食器用洗剤とスポンジで洗ったのに、濯いだ後までギトギトが取れていなかったりしがちでは。

プラスチックは水にも強く、家中のあちこちで活用されていると思いますが、ヌルッと感じたり、ベタベタがなかなか取れないと感じる時、2〜5%に希釈し直した「セスキ炭酸ソーダ水」のスプレーとマイクロファイバークロス等を使って拭き掃除をすると油分がしっかり取れてスッキリします。密閉容器の場合はセスキ炭酸ソーダ水に漬け込んで2、30分置いてから洗い濯ぐと良いでしょう。

セスキ炭酸ソーダが適さない場所

「重曹」同様に、「お風呂場」「洗面所」などの「水垢」汚れ、「スケール」「鱗状痕(りんじょうこん)」などの水道水に含まれるミネラル成分(炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなど)の汚れを落とすのには適していません。細菌などの消毒にもなりません(が、細菌が産生する酸性の悪臭を消臭する効果はあります。生ゴミ、下駄箱の靴など)。

また「重曹」同様、アルカリによって変色させてしまいかねない、木製の漆器、畳、銅製品、アルミ製品などにも使うことができません

タンパク汚れの洗濯に

写真:maroke/イメージマート

掃除分野ではありませんが、鼻血や経血などによる「血液汚れ」、タンパク質の汚れを洗濯で落とす際にもセスキ炭酸ソーダは使えます。

やや濃いめの2〜5%程度に希釈したセスキ炭酸ソーダ水(バケツなどに準備、厳密でなくても良い)に汚れものを30分〜2時間ほど漬け置くと、血液分が布からズルッと剥がれるように落ちてバケツ等の底に溜まります。

布の素材や織り方、血液の量や付着してからの時間(固まり方)にもよりますが、長めに漬けた方が余計な力をかけずに汚れは抜けます。注意点は、この漬け置きの水は熱いお湯にしないこと(タンパク質が凝固してしまうため)。ぬるま湯にしても必ず40度以下にしましょう。

【この記事は、Yahoo!ニュース個人編集部とオーサーが内容に関して共同で企画し、オーサーが執筆したものです】