Yahoo!ニュース

夕立やゲリラ豪雨で洗濯物ずぶ濡れ… 干し続ける、洗い直す正解はどっち?

藤原千秋ライター、住生活ジャーナリスト
(提供:koni/イメージマート)

暑い暑い夏の夕方。あれよあれよという間に大きな積乱雲が立ち上がったと思うと、雷を伴う激しいにわか雨がもたらされるものの、程なく止み、あたりにはうってかわった涼やかな風が吹く……。

「夕立」は一種の夏の風物詩ではありますが、近年ではそんなふうに悠長なことを言っていられない「ゲリラ豪雨」と呼ばれるようなえげつない集中豪雨、局地的大雨が夕方に限らず起こることがままあります。

前もっての予報で予測がついていればいいのですが、晴天のち手のひらを返したような天候の急変にあっては、洗濯物をうっかり干しっぱなしのところにかなりの量の雨が直撃、せっかく乾いていたものがびしょ濡れになってしまうこともあるでしょう。そんな時、干していた洗濯物はどうしたらいいのでしょう? 今回は雨に濡れた洗濯物の始末についてご説明します。

提供:nisio/イメージマート

雨に濡れた洗濯物は、洗濯し直す

夕立、ゲリラ豪雨のような雨にやられた洗濯物の処遇ですが、基本的には「洗濯し直す」ことをお勧めします。

「雨の水に濡れただけなのに?」「そんなの面倒臭い」というのも無理はありません。ただ、雨水、特に直前まで晴れていたような天候が急変しての雨というのは、空気中に漂う微細な塵や化学物質が取り込まれた状態にあり、そういった雨に濡れた洗濯物は「汚れてしまう」と考えられるからです。

夕立に遭った洗濯物ではありませんが、ちょっとした雨の中を傘をささずに歩き濡れた上着が、後にクリーニングした際など変色、退色してしまうということがあります。いわゆる「酸性雨」の影響というのは、昭和のお話ではなく今日でも生じていますが、泥砂で汚れたようなわかりやすい「汚れ」ではないところが厄介です。

また干し場の状況によっては、ベランダの床などからの泥砂ホコリの跳ね返りも、雨量の多い夕立、ゲリラ豪雨などでは起こりやすく、洗濯物を汚してしまうことになります。

提供:GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート

洗い直す優先順位の考え方

ピンチハンガーなどに干したままびっしょり濡れた洗濯物というのは、経験してみればわかりますが非常に扱いにくい状態になっています。とても重いのです。

そのため、場合によっては自重に耐えられず洗濯バサミから外れて下に落ちてしまう洗濯物もあります。その場合は致し方なく洗い直すことになるでしょう。

ただこの重さにより、一気に洗濯し直すことが洗濯機の都合でできないことも起こります。その場合には洗い直しの優先順位をつける必要があります。

まずは衛生面を鑑みて、下着など、身体に長時間直接触れる衣類を優先させ、通常の洗濯のプロセスでやり直し、干し直しましょう。

次点で化学物質を含んだ雨の影響を受けると色あせなどして見苦しくなりかねない、シャツやスカートなど、外側に着る衣類を洗い直すといいでしょう。

提供:ayakono/イメージマート

洗濯物が臭くなってしまった場合

少し厄介なのは朝干した洗濯物が昼前のゲリラ豪雨でびしょ濡れになったものの、家に不在なためすぐには取り込まれず干された状態で「半乾きのまま数時間経てしまった」ようなケースです。

通常の洗濯物はしっかり脱水された状態で干されるものですが、そうであっても洗濯物内での細菌繁殖による臭い(いわゆる部屋干し臭)というものは皆無にはなかなかなりません。

一方ゲリラ豪雨に遭った洗濯物というのは、一度脱水されて干されたものがビショビショになってしまうわけです。その(汚れた)雨水を含んだ(濡れた)状態で長時間おかれている間に、細菌繁殖による臭い(雑巾臭)が強く発生してしまうことがままあるのです。

この場合には取り込む頃には乾いているか、乾きかけていたりするのですが、洗濯物がいつもと違う臭いを発していて違和を感じたりします。

残念ですがこの場合も「洗い直し」をしたほうがいいでしょう。その際は通常の洗剤に加えて酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウムか、過酸化水素水)を添加することで殺菌効果を持たせることができ、臭いを効果的に減らすことができるので是非試してみてください。

【この記事は、Yahoo!ニュース個人編集部とオーサーが内容に関して共同で企画し、オーサーが執筆したものです】

ライター、住生活ジャーナリスト

「家のなか」の事をテーマにウェブ、雑誌、新聞等で執筆。大手住宅メーカー営業職を経て2001年よりAllAboutガイド。主な著・監修書に『人生が整う 家事の習慣』(西東社)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー!!』(オレンジページ)、『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)等。2020年1月より東京中日新聞にてコラム『住箱のスミ』連載中。

藤原千秋の最近の記事