先日、グルーミングのパーソナルカウンセリングを受けた方に「紹介された電動シェーバーがあんなに剃れると思ってもみませんでした!」と感動した面持ちで言われた。ボクはその返答に少し驚き「今まで電動シェーバーについてどう思っていました?」と尋ねると、「T字カミソリと違って剃り残しが多く、剃れないものだと思っていました」とのこと。

 その方のヒゲの質や量、生活スタイルを考えると電動シェーバーの方が向いていると思い、具体的な機種を使い方も交えてお勧めしたのだった。最初は先のイメージから購入を躊躇されたそうだが、とりあえずトライしてみようと思って使ってみたところ冒頭の感想に至ったという。さらに詳しく話を聞くと、どうやら5千円以下で買えるエントリーモデルを使っていたとのこと。「ああ、それで」と納得。電動シェーバーの購入において初心者はエントリーモデルを買ってはいけないのだ。

 というのもエントリーモデルは刃の数が少なかったり、刃のグレードが低かったりなど剃る機能を犠牲にして安くしているから。出張や出先での“ちょい剃り”を念頭に最低限の機能のみで設計されている。初心者が安いからといって飛びついてしまうと「こんなものか」と悪い印象を持ってしまう。これはお互いに不幸な出合いというしかない。もちろん、ヒゲが薄くてクセのない男性であればエントリーモデルでも十分に役立つこともある。薄い人ならうぶ毛剃りレベルでも十分だ。しかし、大半の男性は物足りなく感じてしまうだろう。

初心者が買うならどの機種がベスト?

 ヒゲの濃さが普通以上であるならたとえ初めてでも中価格帯から買うべしとボクは思っている。中高校生の息子に最初に買い与える親御さんはぜひ、覚えておいていただきたい。今、買えるものの中ではパナソニックのラムダッシュなら3枚刃のシリーズがいいだろう。3種類あり、平均するとおよそ1万円前後。せめてこれくらいの投資はして欲しい。社会人で少し余裕があり、肌ケアについても関心があるならスキンケアもできる新製品もいい。こちらで2.8万円ほどと額が跳ね上がるが、美顔器も兼ねているのでその価値はある。

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パナソニック リニアシェーバー ラムダッシュ 3枚刃(WET/DRY) ES-ST2S 実勢価格は筆者調べで8000円前後(※画像は公式サイトより)

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スキンケアシェーバー ラムダッシュ 3枚刃 ES-MT21 実勢価格は筆者調べで2万8710円(※画像は公式サイトより)

 また、ブラウンならシリーズ5か、シリーズ6がお勧め。シリーズ5は機種によって1万円を切る。シリーズ6で1.2万くらい、その上のシリーズ7になると1.5~2万円。初心者でこのブランドを試してみたいとなるとやはりシリーズ5が適当だろう。世界シェアの高いフィリップスにも同価格帯のものはあるが、パナソニックやブラウンの往復式と異なる回転刃を採用しているので少し注意が必要だ。こちらは効率よくヒゲをキャッチする為に回しながら剃らなければならずヒゲの硬さや生え方との相性があるので、初心者にはやや難しいかもしれない。

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ブラウン シリーズ5 50-B1000s 実勢価格は筆者調べで9000円前後(※画像は公式サイトより)

 個人的にここ数年、電動シェーバーの進化は停滞していたと思っている。どのメーカーも5枚刃を極めて剃り味を追求するとともに、時短や摩擦低減による肌への優しさを訴えてきた。どの技術も素晴らしく、これ以上の変化はあまりないと思っていたところマクセルイズミからなんと6枚刃が登場。価格サイトで見てみると、最上位機種のZ-DRIVE IZF-V990でも2万円を少し超えるくらい、その下のZ-DRIVE IZF-V950では1.7万円程度と手が出しやすい。実際、ボクも使ってみたがヘッドは大きくパワフルで時短になる。ヘッドの可動域が狭く感じたので使い勝手にやや疑問があるが、慣れの問題。ヒゲの濃い人には十分、選択肢のひとつになり得る。というのも3年間替刃交換不要でランニングコストを考えるとトータルでお得だから。通常は1~2年で刃を替える必要があるので、同じものを使い続けたいと思う人にはこちらもよい。

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Z-DRIVE IZF-V950-S 実勢価格は筆者調べで1万7000円前後(※画像は公式サイトより)

高価格帯の機種を選ぶ時の絶対条件は?

 では、4~5万円もする高価格帯の電動シェーバーはどのようなものを選べばよいだろうか? まず、間違いなく自動洗浄機付きの機種を選ぶべし。なぜなら、肌に直接当てて使う電動シェーバーが清潔に保てていないとトラブルを起こすからだ。最近はほとんど水洗いのできるウォッシャブルタイプになっているが、面倒で洗浄を怠っている人も多いのでは? また、乾燥まできちんと行っている人となるとかなり少ないはず。使いっぱなしでヒゲクズがびっしり溜まっていたら危険だ。内部はヒゲだけでなく古い角質や皮脂も溜まっているので雑菌たちの格好のエサとなる。そんな不潔なものを高温多湿になりがちな洗面所などに置いておいたら……。考えるだけでも恐ろしい。

 ただし、自動とはいえ洗浄機自体のケアもひと月に一度は必要なので要注意。洗浄液を替えるタイミングで洗浄機もきちんとメンテナンスして欲しい。そういえば、電動シェーバー本体よりも洗浄機の方が故障する率が高いと個人的に感じている。それは多くの人がこのメンテナンスをあまりしていないからかもしれない。消耗品のT字カミソリと違い、電動シェーバーは長く使うもの。価格だけに目を奪われず、正しい選択をして欲しい。