6月23日告示7月2日投開票の都議選を前に、民進党離れが止まらない。6月6日には現職で東京改革都議団総務会長の柿沢ゆきえ氏(3期、江東区)が民進党から離党することを表明した。都議選出馬予定者で民進党を離党表明したのはこれで16人目。これからは無所属で、小池百合子東京都知事が率いる「都民ファーストの会」の支援を受けていくつもりだという。

柿沢氏は民進党の柿沢未途衆議院議員の妻で、5月30日に「野上ゆきえ」から戸籍名の「柿沢ゆきえ」に変えたばかり。2013年に選挙区を練馬区から江東区に替えた時ですら名乗らなかった「柿沢姓」に頼らざるを得ないのは、それだけ逆風が強い証拠だが、さらに「民進党」の看板が足かせだったのだろう。離党届は同日、民進党の役員室長であった柿沢氏の夫・未途氏に手渡された。

都議選まで1か月を切った今、離党に急ぐ気持も理解できないわけではない。先月中旬に行われたある調査によれば、次期都議選での民進党の予想獲得議席数はわずか2議席。大苦戦だった前回の15議席をさらに下回り、これで危機感を持たない方がおかしい。

まさに雪崩のように崩れていく民進党の都議会勢力だが、そもそもこの動きを作った「戦犯」は誰なのか。

誰もが認める「主犯は蓮舫」

「それは蓮舫代表だ」

民進党関係者はこう述べる。

「蓮舫氏が今年1月の伊藤悠氏(目黒区)と増子博樹氏(文京区)の離党を安易に認めてしまった。これをきっかけに、雪崩のように離党者が相次いだ」

伊藤氏は蓮舫氏の「盟友」である手塚仁雄元衆議院議員の元秘書で、いわば「蓮舫代表の直系」。また増子氏はUAゼンセンの組織内候補だ。いずれも2013年の都議選で落選している。

「蓮舫氏は離党したがっているのはこの2人だけだと確信していたようで、2人さえ斬り離せば党内は治まると甘く考えていた」

実際に民進党東京都連が2人の離党を認める前に、蓮舫氏は離党を許容している。

蓮舫氏の見通しが甘いのはこの件ばかりではない。たとえば自身の二重国籍疑惑が民進党支持率の低迷の一因である点を、ほとんど自覚していない。

臭いもの(二重国籍疑惑)には蓋

「ないです!」

5月25日の代表会見で蓮舫氏は、質問する記者を遮るようにぴしゃりとこう言った。蓮舫氏と同じく外国人(アメリカ人)の父親を持つ自民党の小野田紀美参議院議員は、5月21日までにアメリカ国籍を離脱し、それをツイッターで公表していた。記者の質問は、蓮舫氏も二重国籍疑惑を払拭するために、戸籍謄本を公開するつもりがあるのかを問うものだった。

しかしこれについての蓮舫氏の対応は誠実とはほど遠かった。そのような態度に対し、かつてはともに民進党東京都連に所属した長島昭久衆議院議員はツイッターでこう嘆いている。

「ここまで低迷している民進党を今なお支持し続けている皆さんに対して、余りに不誠実な態度ではないか。そもそも発覚した時点で正直に謝罪した上で台湾国籍離脱手続きに入ることを明らかにしていれば、寛容な日本人は許してくれたはず。ましてや台湾は日本の友好国なのだから」

自分の国籍ですら明らかにできないようでは、政治のリーダーシップが発揮できるはずがない。いち早くそれを見抜いた連合東京は、すでに昨年10月の東京10区補選から民進党離れを起こしている。選挙戦最終日の22日、民進党が擁立した鈴木庸介氏の応援に顔すら出さなかった。

都議選についても岡田啓連合東京会長は「連合と民進党は別組織だ」と距離を置き、これが都議選候補の民進党離党に拍車をかけた。また連合東京が都民ファーストの会と3月3日に極秘に政策協定を締結したことも、民進党の疎外感を深めていった。民進党がその事実を知ったのは、1か月以上も後だった。

党内で代表選の動きが

このような状態で、都議選はもちろん次期衆議院選を戦えるはずはない。都議選後にさっそく蓮舫降ろしが始まり、民進党代表選が行われるのはほぼ確実。もともと蓮舫執行部と距離をとっていた前原誠司氏の他、玉木雄一郎氏や馬淵澄夫氏も水面下で定期的に会合を開いている。

なお妻の離党の責任をとって、柿沢氏が代表室長辞意を表明。そもそも柿沢氏の代表室長登用は蓮舫氏の数少ない「お友達人事」だったため、その痛手は大きい。

蓮の花の開花時期は6月下旬から8月上旬まで。蓮舫氏は永田町のあだ花となって果てるのか。