Yahoo!ニュース

Netflix初のグローバルイベント「TUDUM KOREA」。今後の配信韓国ドラマが楽しみすぎる!

渥美志保映画ライター

この連休にYOUTUBEでLIVE配信されたNETFLIX初の全世界ファンイベント「TUDUM」。今回はその中でも、24日に配信されたNetflix KOREAのイベントの模様をいち早くレポートする。TUDUMとは、NETFLIXのチャンネルを開く時に鳴る、あのサウンドロゴを文字化したもの。イベントの内容は、行ってみれば新作の「ちょい見せ」なのだが、出演者のコメントや配信ならではの映像的なオモシロさなどもあり、Netflixで韓国ドラマをかたっぱしから見ているファンには楽しさ満点だ。

5分前のカウントダウンから始まったイベントの冒頭は、SNSでも大きな話題を呼んでいる人気のアカペラグループ「Maytree」の演奏から。

『ウ・ヨンウは天才肌』のOST参加でも話題の彼らが演奏するのは、昨年の最大のヒット作『イカゲーム』のテーマソング。ピッタリのタイミングでエミー賞6部門受賞した同作品を映像で振り返る。

司会の二人の人気俳優、SHINeeのチェ・ミノ(『ユミの細胞たち』)と、チョン・イヒョン(『今、私たちの学校で…』)の登場をはさみ、始まったのは『ペーパー・ハウス・コリア 統一通貨を奪え』をテーマにしたクールなダンスパフォーマンス。そして同作品の出演者イ・ヒョンウが作品世界のままのキャラクター「リオ」を演じながら、シーズン2の映像を「入手した極秘映像」として公開する。このあたりの演出も洒落ている。

「韓国=ドラマ」と思っている人も多いが、実はバラエティ(リアリティショー)も良作が多い。韓国では「やらせ」や「出来レース」が法律で禁じられており、類似したことでさえも番組の打ち切りや演者の活動休止などになる場合もある。だからこそ面白いのだ。今回のイベントでは、恋愛リアリティショー『脱出おひとり様』シーズン2、3人のタレントが職人を訪ね伝統文化を体験する『韓国No.1を探せ』と、スポーツサバイバルゲーム『フィジカル100』の3作品の配信が発表されたのだが、個人的に大注目しているのが『フィジカル100』だ。様々なゲームに100人の肉体自慢が挑戦しNo.1を競うもので、日本で言えば『筋肉番付』のようなバラエティ番組なのだが、演出のあらゆる部分が『イカゲーム』なのである。もちろん負けても殺されはしないだろうが、Netflixにおける『イカゲーム』のインパクトがどれだけ強かったかが伺える番組ともいえそうだ。

今回の司会がチェ・ミノとチョン・イヒョンであることも、もちろん意味がある。

チェ・ミノは主演の新作ドラマ『ザ・ファビュラス』の現場を訪ね、共演者チェ・スビン(『雲が描いた月明かり』)とのミニ対談で作品を紹介。作品はファッション業界を舞台に描く、ミノ演じるレタッチャーと、高級ブランドを担当する代理店の課長のラブストーリー。ファッション業界の裏側を描く華やかな作品になりそうだ。

一方のチョン・イヒョンは、『今、私たちの学校は…』のシーズン2が控える。シリーズの続編はこのほかに、『D.P.』『Sweet Home 僕と世界の絶望』などが紹介されている。どれも次回作が待ちきれないほど面白い作品だ。

Netflixは映画の製作にも力を入れている。

20世紀最後の少女の友情を描いたキム・ユジョン(『雲が描いた月明かり』)の『20世紀の君』、キム・ヨングァン(『こんにちわ、私だよ』)のサスペンス『サムバディ』、ソン・ヘギョ(『ボーイフレンド』)の壮絶な復讐劇『ザ・グローリー』、『人間レッスン』の脚本家チン・ハンサイによる『ヴィンチェンツォ』のチョン・ヨビン主演の『グリッチ』など、どれも見逃せない。

各国の新作をさらっと紹介した後、終了するかと思いきや、やってきた「招かれざる客」が圧巻だった。二人の司会が現われたと同じ「どこでもドア」で逃げた後、誰もいない空間に現われたのは、ユ・アイン(『ソウル・バイブス』)主演『地獄が呼んでいる』の巨大な使者である。そして、あの衝撃の粘膜的なラストシーンから、シーズン2のアナウンス。

さらに登場するのが『イカゲーム』のファン・ドンヒョク監督だ。公開されたぞくぞくするティーザーにうつっているのはイ・ビョンホンである。前作では「カメオ出演」程度だったが、シーズン2では中心的役割を果たすのかもしれない。

いずれにしろ必見の作品ばっかりなのだが、何しろこのファンイベントそのものが、ネットイベントならではの演出で、すこぶる楽しいものだった。

映画ライター

TVドラマ脚本家を経てライターへ。映画、ドラマ、書籍を中心にカルチャー、社会全般のインタビュー、ライティング、コラムなどを手がける。mi-molle、ELLE Japon、Ginger、コスモポリタン日本版、現代ビジネス、デイリー新潮、女性の広場など、紙媒体、web媒体に幅広く執筆。特に韓国の映画、ドラマに多く取材し、釜山国際映画祭には20年以上足を運ぶ。韓国ドラマのポッドキャスト『ハマる韓ドラ』、著書に『大人もハマる韓国ドラマ 推しの50本』。お仕事の依頼は、フェイスブックまでご連絡下さい。

渥美志保の最近の記事