メキシカンリーグ、今季は8月に開幕か

昨年開場したメキシコシティの新球場、エスタディオ・ハープ・ヘル(WBSC提供)

 NPBが6月19日からの無観客での開幕を決定し、昨日当面のスケジュールを発表した。MLBも7月の開幕目指して調整が進む中、メキシコのトップリーグ、メキシカンリーグも今シーズンの開幕を8月7日にすることを発表した。16チームが南北2地区分かれて、近年は各チーム前後期計102試合のペナントレースを争った後、約ひと月に渡るポストシーズンで年間チャンピオンを決めていたこのリーグだが、今シーズンは前後期制をやめ、各チーム48試合の短縮シーズンを各地区別個に(地区をまたいだ交流戦はなし)行い、10月から11月に半数を超える12チームによるポストシーズンを実施する予定だという。当初6月14日に予定されていたオールスターゲームは実施しない。

 半数を超えるチームがポストシーズンに進むことには、日本人には違和感があるかもしれないが、もともとメキシコの野球ファンは、メキシカンリーグを前期、後期、そして長いポストシーズンの「3期制」ととらえている。例年ポストシーズンには、半数の8チームが参加しているが、過去には今シーズンと同じ12チームが進出したこともある。これは、16球団もありながら2リーグ制ではなく2地区制を採用しているものの、国土が広いこともあり、実際には、他地区との対戦数は決して多くはなく、対戦のないカードもあるため、「地区間格差」が出る上、他地区の強豪チームとの対戦の有無が順位に影響を及ぼすこともあり、レギュラーシーズンは予選的な扱いで、「本番」はポストシーズンと見なす傾向がメキシコでは高いことによる。

 3段階すべてが7戦4勝制のポストシーズンは、例年、各地区上位チームにアドバンテージを与えるべく、まず、レギュラーシーズン首位(前期後期それぞれの順位に基づくポイントの合計で順位を決定)のチームは4位チームと対戦、2位チームは3位チームと対戦し、各々の勝者が地区優勝決定シリーズに進出、そして南北両地区優勝チームが「セリエ・デル・レイ(王者決定シリーズ)」を争うことになっていたが、今シーズンのポストシーズンの方式については、いまだ詳細は決まっていない。

 「セリエ・デル・レイ」は最長で11月10日までとなっているが、例年、この時期はウィンターリーグがすでに始まっている。

 世界的に見れば、北半球の夏に行われるプロリーグの「裏」的な見方をされるウィンターリーグだが、ここメキシコにおいては、両者の立場は逆である。全国に展開される「ナショナルリーグ」は無論、メキシカンリーグなのであるが、人気、レベル、そして財政的には、今やMLB、NPB、韓国のKBOに次ぐ「世界第4のプロリーグ」となったウィンターリーグ、メキシカンパシフィックリーグに軍配が上がる。野球人気が高い太平洋岸シナロア州を中心に展開され、メジャーリーガーをはじめアメリカでプレーする選手が集まるこのリーグは、アジアのプロリーグと比べても遜色ないプレーレベルを誇り、今や中南米のウィンターリーグ最強ともいわれている。1試合当たりの観客動員は1万人を超え、それもあってか、球場のリノベーションも進み、最新鋭の新球場が各地に次々と新設されている。

 例年メキシカンパシフィックリーグは10月半ばに開幕するが、メキシカンリーグがシーズンキャンセルとなった場合は、予定通りの開幕とする方針だ。メキシカンリーグが仮に11月初めまで伸びた場合は開幕を遅らせることを示唆しているが、プレーオフに敗退したチームの選手を順次招集して、メキシカンリーグのポストシーズンと並行して公式戦を行う可能性もゼロではない。いずれにせよ、新型コロナ禍にあって、外国人選手の招集が難しいことが予想される中、両リーグとも選手集めには苦労するものと思われる。

 観客の動員については、テレビ放送が多く、財政的に余裕のあるメキシカンパシフィックリーグが無観客試合も想定している一方、いまだ国内の新型コロナ収束への出口が見えていない中、開幕への道筋を示したメキシカンリーグの方が、球団経営の柱としての入場料収入は必要だとして、最大限の配慮の下、観客を入れて試合を行う方向性である。