ロボット掃除機「ルンバ」シリーズや拭き掃除ロボット「ブラーバ」シリーズを展開するアイロボットジャパンがサブスクリプション（定額制）サービスを開始する。2019年6月8日の「ルンバの日（6＝ルン、8＝バの語呂合わせ）」にスタートする「ロボットスマートプラン」だ。

　ロボットスマートプランはカメラや家電などのレンタルサービスを提供するレンティオとのパートナーシップによって生まれたサービスで、月額1200円からルンバシリーズをレンタルして使えるというもの。1年間は解約・返品できないが、3年間利用したら所有権がユーザーに移転するというプランになっている。3年間はユーザーの過失がない限り無償修理保証も付く（1年間は過失があっても無償修理対象となる）。

レンタルできる機種と月額料金は以下の通りだ（すべて税別）。

・ルンバ　i7＋（実勢価格13万円前後）……月額3800円（3年間の支払総額は13万6800円）

・ルンバ　980（実勢価格12万5000円前後）……月額2800円（同10万800円）

・ルンバ　641（実勢価格3万円前後）……月額1200円（同4万3200円）

これを見ると、かなり戦略的な料金体系であることが分かる。エントリーモデルのルンバ641は一般消費者の興味を引くための“釣り”的な要素があるのは否めないが、解約できない1年間だけおためしで使い倒しても1万4400円で済む。ルンバ600シリーズは約7年前に登場したモデルで設計が古いので、清掃能力は最新モデルに比べて劣るものの、「ルンバを試してみたいけど、自分の家でもちゃんと使えるかどうか不安」という人には手を出しやすいのではないだろうか。

ちなみに現在の“売れ筋”としてアイロボットジャパンが押しているのは2018年9月発売の「ルンバ e5」（実勢価格5万円前後）だが、こちらはロボットスマートプランにはラインアップされていない。

アイロボットジャパンの挽野元社長は「社内でも議論はあったが、高額なi7＋や980はサブスクリプション向きで、（比較的リーズナブルな）ルンバ e5は購入向きという違いがある」と語っていた。ルンバ641は価格が安いので「お試し用途」と「消費者の耳目を引く」という用途にはピッタリだが、本命は高価格で手が出にくいルンバ i7＋とルンバ980といったところなのだろう。

ちなみに、今回のサービスを実際に行うレンティオでは、すでにルンバシリーズのレンタルサービスを展開しており、1年間レンタル料金を支払うと自分のものになる「もらえるレンタル」というサービスにもルンバシリーズがラインアップされている。こちらで利用できるルンバシリーズのモデルと料金体系は以下の通り。

・ルンバ 960（実勢価格7万5000円前後）……月額8000円（1年間の支払総額は9万6000円）

最近ルンバ960の実勢価格が下がったため、購入した方がお得になっている。また、ルンバ960はルンバ980よりも吸引力や弱くてバッテリー容量も少ない廉価版なので、支払総額を考えてもロボットスマートプランでルンバ980をレンタルした方がお得感はある。

また、ルンバi7＋は3月に発売したばかりの最新モデルで、部屋の環境を学習するスマートマッピング機能や、本体のダスト容器に吸引したゴミやホコリを自動的に収集してくれる「クリーンベース」が付属する。ルンバ980が登場したのは2015年9月なので、今から入手するならルンバ i7＋の方がおすすめだ。

ちなみにロボットスマートプランには拭き掃除ロボット「ブラーバ」シリーズはラインアップされていないが、レンティオの「もらえるレンタル」には「ブラーバジェット 240」（実勢価格3万円前後）が月額2700円（1年間の支払総額は3万2400円）も用意されている。こちらも近々ロボットスマートプランに登場するかもしれないが、現在拭き掃除ロボットを試してみたいという人はレンティオのもらえるレンタルを利用してみるといいだろう。