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透湿防水素材レインウエア を使いこなして災害対策〜赤ちゃんにはファスナー合わせ技も

あんどうりすアウトドア防災ガイド  リスク対策.com名誉顧問 
透湿防水素材のレインウエア をジョイントさせて赤ちゃんコートに

 1歳以上の人であれば、雨の体験が1度もない人はいないはずです。しかも、このところ、50年に1度の雨が毎年起こるほど豪雨災害が問題になっています。それなのに、レインウエア を持っていないなんて事があっていいのでしょうか。豪雨災害が頻発する昨今、安全な避難につながる2つ性能と4つの特徴を持つ透湿防水素材のレインウエア を使いこなしてみませんか。

高性能その1 防水機能 濡れないことが命を守る

写真提供 野外保育ゆたか 透湿防水素材レインウエア があると雨の日のお散歩も楽しい
写真提供 野外保育ゆたか 透湿防水素材レインウエア があると雨の日のお散歩も楽しい

 濡れないことは、アウトドアでも災害時でも、とても重要です。昔の映画やマンガでは、雪山の場面で、「寝るな!寝ると死ぬぞ」という描写もありましたが、雪山で寝たからといって必ず命を失う訳ではありません。むしろ絶対に山で避けなければいけないのは、「濡れること」です。濡れると、液体を気体にする際の気化熱により、体温を奪います。濡れたものを着たままでいると、体温が奪われ続け、低体温症が進行します。低体温症になったことで、意識障害が起きて眠ったようになったり、命を失うこともあります。

 そのため、山では濡れたらすぐ着替える事、濡れて保水しない服や高性能レインウエア をあらかじめ着用するという、濡れない工夫をする事が、命を守る鉄則中の鉄則です。

 これは、野外に避難する災害時も同じです。津波や洪水、豪雨の避難で濡れた人の中には、安全な場所にたどり着いたにもかかわらず、低体温症で命を落とした方もいます。厚生労働省調査によると、東日本大震災で34名、低体温症で亡くなった方がいることがわかっています。夏の豪雨であっても、雨が降ると気温は下がり、濡れる事で体温が下がるので、低体温症の報告があります。災害というだけで命に関わっている場面なのに、それ以上に自分を危険な目にあわせないためにも、「濡れない」をしっかり意識してください。

 アウトドアや作業用で使う透湿防水素材レインウエア の濡れない工夫は耐水圧にあります。数値は、最低でも10000mmを超えます。

 傘の耐水圧は、300〜5000mm程度のものが多いので、傘よりも濡れないのです。

 圧力をかけても染みてこないので、台風などの暴風雨に対しても、「濡れない」を維持します。また、だいたい10000mmを超えると、水たまりの上に座っても染みてこないというレベルになります(体重にもよりますが)。

高性能その2 透湿機能 蒸れないから濡れない

資料作成 あんどうりす
資料作成 あんどうりす

 もうひとつ重要な機能は「蒸れない」ことです。この、「蒸れない」は、かつては、「濡れない」と対立する概念だったのです。「濡れない」を徹底すればするほど「蒸れ」ていました。透湿防水素材が世に出てきたことにより、対立するものが両立できるようになったのです。透湿防水素材は、防水でありながら、目にみえない穴が空いています。製品にもよりますが、1cm×1cmに14億個の穴が空いているものもあります。穴が小さいので、外から雨や雪は入らないから「防水」ですが、服の中でかいた汗などの水蒸気は外に逃がすことができるので、「蒸れない」性能を持っています。

 なぜ、蒸れてはいけないのかというと、蒸れると、濡れるので、低体温症になる危険があるからです。運動が多くなると汗をかくので蒸れやすくなります。雨の時、自転車でこどもを送迎したり通勤時に蒸れないことは重要になるのはもちろん、災害時の避難も運動量が多くなるので蒸れてくるのです。日常では「蒸れちゃったな」ですみますが、山や災害時、その「蒸れ」が命を奪うリスクになります。

 外からは「濡れない」、中からは「蒸れない」から「濡れない」と、とにもかくにも「濡れない」を徹底するアウトドア精神を災害時にも意識して、「寝るな」よりも「濡れるな」と覚えておいてほしいです。

特徴1 コンパクトに収納でき、ミニマムに暮らせて転倒防止に役立つ

軽くてコンパクトに収納 あんどうりす 撮影&作成
軽くてコンパクトに収納 あんどうりす 撮影&作成

 雨や雪の時、災害時の避難に活躍するレインウエア ですが、風の強い時期に上着として着ることもお勧めです。風速1mの風が吹けば体感温度が1度下がるので、風の日には風を防ぐことが効果的です。

 雨も風も雪の時期も活躍するので、1年中使いまわせます。

 そして、アウトドア製品は、コンパクトになるのです。かさばる上着を減らしてモノを増やしすぎない事が、地震で倒れるものを減らすことにつながります。高性能レインウエア で雨の日に濡れずに、部屋もすっきり、地震の際の転倒防止にも役立つのでお得がいっぱいです。

特徴2 お手入れすれば長持ちする 

透湿防水素材のお手入れ方法は服のタグで確認 低温アイロン 乾燥機可の表示 あんどうりす 撮影
透湿防水素材のお手入れ方法は服のタグで確認 低温アイロン 乾燥機可の表示 あんどうりす 撮影

 高性能だと、値段も高くなりがちですが、お手入れすれば長くもつことを知っておいてください。野外で使うと紫外線で劣化するので、一概に何年もつとは言えませんが、長持ちさせるためには、洗濯が必要です。洗濯表記にしたがい、専用洗剤を使うなどして、お手入れしてください。乾かす時にコツが必要で、多くの製品は天日干しではなく、乾燥機にかけるか、低温のアイロンがけが推奨されています。熱を加えると撥水機能が定着するからです。また、アウトドアレインウエア は修理対応してもらえることもあります。

特徴3 日常使いできる透湿防水素材レインウエア もある

職場にも着て違和感ない高性能レインウエア も あんどうりす 撮影&作成
職場にも着て違和感ない高性能レインウエア も あんどうりす 撮影&作成

 いくらいいものでも、アウトドア度が強めのデザインは職場には着て行けない、日常使いできないと思う人もいるかと思います。でも、最近は、全く違和感なく日常使いできるデザインの透湿防水素材もでています。いつもの雨で、全く濡れない、蒸れない、快適なレインウエア を愛用していると災害時の素早い行動につながります。日常使いできるものを選ぶことがポイントです。

特徴4 子ども用は大きめを購入して、親子ジョイントすればコートとして6年使える

作成 あんどうりす 撮影 あんどうりす 松園亜矢
作成 あんどうりす 撮影 あんどうりす 松園亜矢

 サイズアウトしてしまう子ども用は、赤ちゃんの時に大きめを購入します。そして、赤ちゃん時期は、写真のようにジョイントさせて前だっこした時のコートとして使えます。ファスナーの規格が同じであれば、大人用と子ども用のレインコートをあわせてジョイントさせることができるのです。メーカーが違うレインウエア でも、ファスナーの規格が同じであれば可能です。

 私は最初に上着とパンツのセット120センチサイズのレインウエア を購入して、0歳からは写真のように親子コートとして出歩いていました。子どもが歩くようになったら、上着だけ長めのレインウエア として着せて、子どもの背がのびたら、上下を着せてとすると、6歳まで同じレインウエア を徹底活用することができました。6000円のものでも1年あたり1000円換算となります。雨の時にも遊べるレインウエア を長く大切に着る知恵を子どもに伝えられたのはよかったなと思っています。

 以上、2つの性能と4つの特徴をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

 豪雨災害に関しては危険な場所にいる人は早めの避難が最も重要ですが、いつもの暮らしでレインウエア の使い勝手をわかっていれば、「雨が降ってはいるけど、今のうちなら避難できる」というように、避難の決断もしやすいです。

 日常でできないことは災害時にはできません。日常生活で、災害時にも役立つものを徹底活用して、いつもをもっと楽にしてしまえば、意識しなくても防災が日常に取り込めます。ご活用いただければ幸いです。

アウトドア防災ガイド  リスク対策.com名誉顧問 

FM西東京防災番組パーソナリティ 兵庫県立大学大学院 減災復興政策研究科 博士課程 女性防災ネットワーク東京呼びかけ人 阪神淡路大震災の経験とアウトドアスキルをいかした日常にも役立つ防災テクを、2003年から発信。子育てバックは、そのまま防災バックに使えるなど赤ちゃん防災の先駆けとなるアイデアを提唱。技だけなく仕組みと知恵が得られると好評で、口コミで講演が全国に広がる。企業広報誌、子育て雑誌などで防災記事を連載中。ゆるくて楽しい防災が好み。

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