1972年に誕生して以来、国産ベーシックカーの代表として20世紀末までホンダを牽引してきたシビックですが、“フィット”にその座を譲って以降、日本市場では存在感が薄くなりつつありました。しかし05年の第8世代以降、北米市場ではミドルクラス(Cセグメント)のプレミアムカーへと脱皮に成功。アコードと並び、ホンダの看板モデルであり続けています。

 そんなシビックがフルモデルチェンジを行い、11世代モデルとして、今秋から国内販売を開始します。6月24日に先行公開が行われた新しいシビックは、どんなクルマになったのでしょうか。(公式サイトはこちら)

 まずはボディのサイズから。全長×全幅×全高は、4550mm×1800mm×1415mmと、先代モデルに較べると、全長が30mm長くなり、全高が5mm低くなっています。ちなみにトヨタのプリウスが、全長4540mm×全幅1760mm×全高1475mmですから、サイズ感としては「だいたい同じ」と言ってよいでしょう。

 また、後輪の位置が後に35mm下げられており、そのぶんだけ後席も後に移動しているため、後席の足元スペースが広くなりました。

ボンネットが長く、サイドのラインも水平に近くなり、伸びやかな印象となった。
ボンネットが長く、サイドのラインも水平に近くなり、伸びやかな印象となった。

 外装デザインは一新され、ボンネットの長い伸びやかな印象になりました。従来型では前下がりだったサイドのラインが水平に近づいていますが、これは近年のホンダ車共通コンセプト。サイドウィンドウの下端ラインを水平に近づけることで、車内から見た風景と自車の位置関係の「ねじれ感」を抑え、後退時の車両感覚を把握しやすくしています。

 内装もダッシュボードを水平基調として同様の効果を狙っているほか、夜間に内装がガラスに映り込まないことにも配慮。フロントガラスを支える左右のピラーをドライバー側に寄せて、フロントガラスからの見開き角を広げ、運転のしやすさを向上させています。

デザインしすぎていないシンプルさが好印象。1970年代のスポーツカーに通ずる雰囲気がある。
デザインしすぎていないシンプルさが好印象。1970年代のスポーツカーに通ずる雰囲気がある。

 デザイン的には、ダッシュボードの真ん中を横切るハニカム状の加飾が特徴的です。エアコンの操作系にはダイヤル式を使用し、液晶式になったメーターも、あえてアナログ調の丸形2眼方式の表示にするなど、どことなく1970年代っぽいレトロな雰囲気が感じられます。一方で、センターに鎮座するディスプレーオーディオは最新仕様。さまざまなアプリの使用や、スマホと連携したリモートサービスが使える“ホンダコネクト”に対応しています。

 意外に思えたのは、パワーユニットの設定。134kW/240Nmを発生する1.5Lガソリンターボエンジンに、CVT(連続無段式AT)または6MTの組み合わせです。ホンダは「2040年までに新型車をすべて電動化する」と発表したばかりですが、その直後に発表されたモデルがガソリンエンジンだけ? とは驚きました。

 しかし、実は来年には、シリーズ式ハイブリッド仕様の“e-HEV”を追加する予定とのこと。ユニットはインサイトに搭載されている1.5L仕様になるか、ステップワゴンに搭載されている2.0L仕様になるかはわかりませんが、正式発表を楽しみに待ちたいと思います。

 また、シビックといえば、ニュルブルクリンク北コースの市販FF車最速ラップタイムをたびたび塗り替えている“TYPE R”モデルもクルマ好きの人気を集めていますが、こちらも来年には追加されるとのこと。ニュルブルクリンクのタイムアタックともども、楽しみに待ちたいと思います。

アクセサリーのエアロパーツ装着車。TYPE Rは、どんな姿で登場するだろうか。
アクセサリーのエアロパーツ装着車。TYPE Rは、どんな姿で登場するだろうか。

 グレード構成はLXとEXの2種類で、前者がカジュアル、後者がスポーティという位置付け。価格は未公表ですが、北米で先行発売されているセダンが$21,700(LX)〜$24,700(EX)ということを考えると、日本でも240〜280万円ぐらいの価格になるのではないでしょうか。