Yahoo!ニュース

カプセル回収完了! 12月6日はやぶさ2 カプセル再突入・着地から発見まで

秋山文野サイエンスライター/翻訳者(宇宙開発)
オーストラリアで発見された再突入カプセル。クレジット:JAXA
オーストラリアで発見されたはやぶさ2搭載カプセル。クレジット:JAXA
オーストラリアで発見されたはやぶさ2搭載カプセル。クレジット:JAXA

2020年12月6日12:33(日本時間)更新

JAXA 小惑星探査機はやぶさ2プロジェクトチームは、日本時間2020年12月6日8時03分にはやぶさ2の小惑星試料コンテナの入ったカプセルを搭載したヘリコプターがオーストラリア現地本部へ到着したと発表した。現地でも午前中にカプセル回収を終え、回収班は6日中にカプセルの清掃作業と、小惑星の物質がガス化した可能性のある気体の回収作業を行う予定だ。はやぶさ2プロジェクトチームの久保田孝教授によれば、6日中に作業を終えてカプセルを運搬容器に納め、7日中にオーストラリア出発、最速で8日中にカプセルの日本到着を目指すという。

カプセル回収作業の様子。クレジット:JAXA
カプセル回収作業の様子。クレジット:JAXA
回収されたはやぶさ2搭載カプセル。クレジット:JAXA
回収されたはやぶさ2搭載カプセル。クレジット:JAXA
搭載カプセルを現地本部へ輸送する容器。クレジット:JAXA
搭載カプセルを現地本部へ輸送する容器。クレジット:JAXA
オーストラリア回収班本部では、QLFと呼ばれる施設内でカプセル内のガス回収を試みる。回収装置の外観。クレジット:JAXA
オーストラリア回収班本部では、QLFと呼ばれる施設内でカプセル内のガス回収を試みる。回収装置の外観。クレジット:JAXA

2020年12月6日5:10(日本時間)更新

JAXA 小惑星探査機はやぶさ2プロジェクトチームは、ヘリコプターからの探索により12月6日4時47分(日本時間)にオーストラリアの着地予定区域内ではやぶさ2再突入カプセルを発見したと発表した。日本時間12月6日午前からカプセルの回収を行う予定だ。

2020年12月6日3:23(日本時間)更新

3:20 ビーコンの消感を確認(アンテナでとらえられる地上から2~3メートルの高さよりビーコン源が下になったとみられる)、3:07に着地点の推定がほぼ終了し、ヘリ出動の準備中と久保田教授より一報。はやぶさ2の日陰明けはNASA DSNゴールドストーン局で確認、探査機からのテレメトリを受信

3:15 はやぶさ2の日陰明けを確認。探査機との通信が復活し状態を確認できるように

3:03 管制室の津田プロマネよりコメント「美しい大気圏突入だった。われわれも感動した」

オーストラリアの着地点に近いクーパーペディで観測された再突入カプセルの火球。クレジット:JAXA
オーストラリアの着地点に近いクーパーペディで観測された再突入カプセルの火球。クレジット:JAXA

2020年12月6日3:00(日本時間)更新

2:57 ウーメラの藤本宇宙科学研究所副所長から「カプセルの軌道を方向探索で追いかけ、ちゃんと追うことができた。消感した」との一報。カプセルは着地したとみられる

2:51 国際宇宙ステーション(ISS)から上方を通過するはやぶさ2を捉えたとの一報

ISSの船外カメラがとらえた12,000km先のはやぶさ2 クレジット:JAXA/NASA

2020年12月6日2:35(日本時間)更新

2:32 管制室情報で、「ビーコン入感(受信)」の連絡。カプセルが発する信号を捉えることができた

オーストラリアで観測された再突入カプセルの火球。クレジット:JAXA
オーストラリアで観測された再突入カプセルの火球。クレジット:JAXA

2020年12月6日2:30(日本時間)更新

2:29 オーストラリア、クーバーペディからの映像で火球を観測

2:23 はやぶさ2、日陰に入ったと管制室情報。オーストラリア現地で火球観測準備中。火球はマイナス7~9等級程度になると予測される。

2020年12月6日、JAXA はやぶさ2プロジェクトチームは、小惑星探査機はやぶさ2から分離された再突入カプセルの着地と発見、回収に向けた活動を行う。5日14時30分に地球から22万3000キロメートルの距離で分離したカプセルは、オーストラリア南部のウーメラ砂漠の着地予定地点に向けて飛行を続けている。

日本時間午前2時28分27秒から、再突入カプセルは高度120キロメートルで大気圏に再突入し、発光しながら降下する。パラシュートを開傘して2時47~57分ごろには着地すると考えられている。

はやぶさ2プロジェクトチームの久保田孝教授によれば、「6日0:30にチームでブリーフィングを実施した。はやぶさ2本体は、日陰(地球の影)に入り、その間に光学航法カメラONC-W2による地球撮像を行う。同時に、降下中のカプセルの発光を捉える試みを行う。現地ウーメラの天候は風があるものの晴れており、火球(発光するカプセル)が見えると期待される。着地予定地点を取り囲むように5局の方探、2局のマリンレーダー班が光学観測と合わせて着地点を絞り込む。着地点推定後、夜の間にヘリ出動で上空からカプセル位置を撮影する。6日中にカプセルを回収できれば、その日のうちに清掃し、真空槽の中でピンを差して何らかのガスがあればそれも回収する。気体の成分がわかれば調べる。6日中に処理を終え、7日にオーストラリア発、8日中に日本へ帰還の予定」という。

12月6日のタイムライン(すべて日本時間)

2:28:27 カプセル大気圏再突入(高度120キロメートル)

2:28:49~2:29:25 発光する「火球フェーズ」に入り、高度80キロメートルから40キロメートルまで降下。同時刻にはやぶさ2探査機から火球撮像

2:31~2:33 カプセルからヒートシールド分離、パラシュート開傘。高度は10キロメートル前後

2:47~2:57 パラシュートにより降下。着地後にパラシュート切り離し

着地後 方向探知、マリンレーダー、光学観測データを合わせ着地点推定、ヘリ出動による上空からの撮影

6:30ごろ はやぶさ2から地球撮像

6日日中 カプセル回収、下処理、ガス回収

サイエンスライター/翻訳者(宇宙開発)

1990年代からパソコン雑誌の編集・ライターを経てサイエンスライターへ。ロケット/人工衛星プロジェクトから宇宙探査、宇宙政策、宇宙ビジネス、NewSpace事情、宇宙開発史まで。著書に電子書籍『「はやぶさ」7年60億kmのミッション完全解説』、訳書に『ロケットガールの誕生 コンピューターになった女性たち』ほか。2023年4月より文部科学省 宇宙開発利用部会臨時委員。

秋山文野の最近の記事