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離婚&別居せず恋人探し。結婚生活29年 60代熟年夫婦(前NY市長)の決意「ロールモデルになれば」

安部かすみニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者
(写真:REX/アフロ)

おしどり夫婦と呼ばれたニューヨーク前市長夫妻が、さらに別の「愛のカタチ」へと前進する。

ビル・デブラシオ前NY市長(62)と妻のシャーレーン・マクレイさん(68)は結婚生活29年の熟年夫婦だが、このほど別れて一人になり、別の人と人生を歩んでいく気持ちがあるとニューヨークタイムズ紙で宣言し、話題だ。

インタビューで今後の方向性を明かした夫妻だが、記事内の写真では仲良く抱き合っている。離婚や別居をするわけでもなく、喧嘩別れでもない。今後も婚姻関係は変わらず同居を続けながら、ほかの人ともデートする計画を立てているというのだ。

事の発端は約2ヵ月前。土曜日の夜に夫婦でテレビを観ていた時、何気ない会話から始まった。「なぜ自分たちはラブラブではないのか?」。

そのような疑念は、会話を重ねて確信へと変わった。夫妻は話し合いの末に「これからは、より個人の人生にフォーカスして生きていこう」と決意したという。

「物事がうまくいっていない時、人はそれがわかるもの。そして誰も、そのような人生を続けたくはないのです」とデブラシオ氏。

NYのタイムズスクエアで2022年への年越しカウントダウンイベントに参加し、仲睦まじい姿を見せていた夫妻。
NYのタイムズスクエアで2022年への年越しカウントダウンイベントに参加し、仲睦まじい姿を見せていた夫妻。写真:ロイター/アフロ

5日、自宅前でメディアの囲み取材に答えたマクレイ夫人は、このように語った。「私たちにとって大きな変化ではあるが、2人の間にはまだ愛がある」「今後も家族が最優先」。日本でも増えている家庭内別居とも異なるようだ。

夫妻は1994年に結婚し、成人した2人の子がいる。デブラシオ氏がニューヨーク市長を務めたのは、2014年から21年までの8年間だ。異人種間カップルの政治家として注目された。任期中に大統領選への出馬を表明し、市政で大風呂敷を広げるなどしてきたが、有言不実行な市長と揶揄されてきた。そんな彼の横にはいつもファーストレディとして夫を支えるマクレイ氏の姿があった。

しかし今回のインタビューで、マクレイ夫人は「互いに別の方向を向いているのであれば、自分の方向に進むことが大切」と述べた。「新たなニューノーマルとしてほかの夫婦やカップルにとって模範になれば」。

今後別の人と付き合っていく上での恋人探しについて「新しい領域で、楽しみだし緊張もしている」「繰り返しになるが、これは前向きな行動なのです」と強調した。

日本では昨年、熟年離婚が過去最高値に達した。アメリカはより離婚大国で、結婚しても初婚では40-50%、再婚では60-67%が離婚すると言われている。そんな中、幸福な個人の人生を追求していくと決めたデブラシオ-マクレイ夫妻は「新しい愛のカタチ」として、今後さらに注目を集めそうだ。

(Text by Kasumi Abe) 無断転載禁止

ニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者

米国務省外国記者組織所属のジャーナリスト。雑誌、ラジオ、テレビ、オンラインメディアを通し、米最新事情やトレンドを「現地発」で届けている。日本の出版社で雑誌編集者、有名アーティストのインタビュアー、ガイドブック編集長を経て、2002年活動拠点をN.Y.に移す。N.Y.の出版社でシニアエディターとして街ネタ、トレンド、環境・社会問題を取材。日米で計13年半の正社員編集者・記者経験を経て、2014年アメリカで独立。著書「NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ」イカロス出版。福岡県生まれ

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