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米宝くじ1350万円当選の男性、テレビで学んだ「当たる戦略」とは?

安部かすみニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者
宝くじは街角の商店やガソリンスタンドで気軽に購入できる(イメージ写真)。(写真:ロイター/アフロ)

アメリカ、サウスキャロライナ州の男性が、高額宝くじ10万ドル(1350万円相当)を当て、その手法がWYFF4など地元メディアの報道で話題になった。

その男性が影響を受けたのは、ケーブルテレビTLCのリアリティ番組『LOTTERY CHANGED MY LIFE』(宝くじが私の人生を変えた)。この番組を観て、当てるコツを掴んだそうだ。

このリアリティ番組は2009~11年に放送されたもの。1億1200万ドル(150億円相当)の宝くじに当選して婚約した女性、200万ドル(2億7000万円相当)を当てフードスタンプ(食材費に充てられる生活保護)生活から一転して億万長者になった男性、7900万ドル(107億円相当)を当て愛する地元に恩返しをする元保安官など、宝くじの高額当選者にまつわるさまざまな人間模様に迫った人気番組だ。

この番組を観た10万ドルの当選者の男性が参考にした「勝つ戦略」は、非常にシンプルだ。

それは、週25ドル(3400円相当)ずつを3ヵ月間、買い続けるということだった。男性は第1週目にさっそく500ドル(6万7000円相当)が当選したという。幸運はそれだけに留まらなかった。7週目(3ヵ月プランのちょうど半ば)となった先月28日、パワーボールというメジャーな数字選択式宝くじを購入。当初は5万ドル(670万円相当)が当選したと思ったらしいが、妻が念のためチェックすると、くじの5つの番号のうち4つの番号と、最後の赤いパワーボールの数字が一致し、10万ドルもの大金が当選したという。

この戦略について、以前ニューヨークでよく宝くじを購入していたという女性に話を聞いてみたところ、「買わなければ当たらないというのが宝くじ。気が向いた時ではなく、常に買うことで当たる確率が上がるということなのだろう」と話す。

この女性は週1度のペースで、近所のデリでパワーボール、メガミリオン、NYロットなどを購入していた。宝くじは1枚2ドルと気軽に購入できる値段だ。1回の購入でもっとも費やした金額は20ドル、当たった最高額は100ドル(1万3500円程度)だったそうだ。しかし3ヵ月ほどで購入するのをやめたという。その理由について「初めのころは、大金が当たればいいなと思って買い始めた。しかし当たっても100ドル。行き着いた答えは、必要なものは与えられるから、それ以上の金額が自分に当たらないのは、今の自分には必要ではないということなのだろうと悟った」。

CNNが報じた同州の宝くじのウェブサイトによると、この男性がマッチさせた4つの白いボールの数字と赤いパワーボールの数字が一致する確率は、91万3129分の1という。

10万ドルを当てた男性は、早速新車を購入したと報じられた。男性は「パワーボールのやり方さえ知らなかった」とコメントしているから、ビギナーズラックだったかもしれない。しかし買い続けることで、当たる確率が上がるわけだから、今後も何が起こるかわからない。男性はプラン半ばですでに高額当選を果たしたということだが、この後も同様のやり方で3ヵ月プランをやり抜くそうだ。

(Text by Kasumi Abe)無断転載禁止

ニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者

米国務省外国記者組織所属のジャーナリスト。雑誌、ラジオ、テレビ、オンラインメディアを通し、米最新事情やトレンドを「現地発」で届けている。日本の出版社で雑誌編集者、有名アーティストのインタビュアー、ガイドブック編集長を経て、2002年活動拠点をN.Y.に移す。N.Y.の出版社でシニアエディターとして街ネタ、トレンド、環境・社会問題を取材。日米で計13年半の正社員編集者・記者経験を経て、2014年アメリカで独立。著書「NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ」イカロス出版。福岡県生まれ

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