農場から世界を変える「スカイ ハイ ファーム ユニバース」に注目集まる 「バレンシアガ」とも協業
WWD:では、「スカイ ハイ ファーム ワークウエア」とは?
シーボルト:「スカイ ハイ ファーム ワークウエア」は、「スカイ ハイ ファーム ユニバース」として最初に着手したアパレルプロジェクトだ。私の古巣であるパリの「DSM」と提携しており、ブランド・インキュベーターでもある彼らは、生産や製造、販売、流通の専門知識で、私たちの市場参入をサポートしてくれている。このブランドが他と大きく異なるのは、環境再生型農業の理念に深く関わっている点だ。環境再生型農業は、土地を総合的に管理して農産物を栽培し、生物多様性をもたらすと同時に、気候変動をも抑制する。
WWD:「スカイ ハイ ファーム ワークウエア」の目的は、環境再生型農業について人々に知らせることでもある?
シーボルト:気候変動や食糧主権、緊急の食糧アクセス、そして個人の行動が環境に与える影響など、世界で起きている問題の重要性を誰もが認識できる機会を提供したい。世の中には、問題を認識しているものの、実際どのように関わればいいのか分からない人も多いと思う。特にファッションの世界では、ポジティブな想像が難しいかもしれない。「スカイ ハイ ファーム ワークウエア」を立ち上げたのは、私たちはファッションを愛し、ファッションを消費しているからだ。また「スカイ ハイ ファーム ユニバース」には ワークウエアの他に、食品や飲料、ウェルネス、ビューティもある。これらを通じて、効果的なタッチポイントをさまざまに作ることができる。
WWD:服はストーリーを語る一つの方法であるということ?
シーボルト:その通りだ。また、持続可能な服作りは、製品そのものをユニークなものにしている。「DSM」は、私たちのためにデッドストックの素材や生地を調達してくれる。例えば、私が今着ているシャツは「コム デ ギャルソン・シャツ(COMME DES GARCONS SHIRT)」の余剰生地を再利用して作ったもの。新しい生地の場合は、最も持続可能性の高いものを使う。環境再生型農業の背後にある理念は、製品作りや、会社を設計する考え方にも通じている。