農場から世界を変える「スカイ ハイ ファーム ユニバース」に注目集まる 「バレンシアガ」とも協業
WWD:コラボレーションの手法にルールはあるのか?
シーボルト:どのブランドとも異なる方法で仕事をしている。それぞれの企業には独自の構造があり、一つのシナリオが全てに当てはまるわけではない。また、大企業を相手にすることが多いため、漸進的なステップを踏んでいる。「バレンシアガ」がいい例だ。彼らはデッドストックを提供してくれて、私たちはフォトグラファーのライアン・マッギンレー(Ryan McGinley)のアートワークでカスタマイズし、再販した。また「コンバース」とも協業し、古いワークウエアをアッパーに再利用した“ワンスター(One Star)”と“チャック・テイラー(Chuck Taylor)”を来年春に販売する。私たちの目標は、長期的なパートナーシップを築くこと。マーケティングのためのマーケティングに興味はない。
WWD:今後コラボレーションしたい企業はあるか?
シーボルト:高品質・低価格を実現する「ユニクロ(UNIQLO)」ともコラボレーションをしてみたい。実現すれば、世界中の人々に私たちの ワークウエアを届けられる未来が見えるかもしれない。消費者の欲求を促さないと、システムを変えることはできない。そして、市場が求めない限り、大企業の仕組みや方針は変わらないため、消費者が自分の購買行動で意見を表明することが重要だ。消費者は購入するものを意識的に選ぶことで、より大きな変化を生み出すことができる。そして私の願いは、誰もが「スカイ ハイ ファーム ユニバース」を選ぶことだ。キャッチフレーズのように聞こえるが、私たちのブランドでは、すべての顧客が寄付者になるのだから。
WWD:大きな夢だ。
シーボルト:そうでもないかもしれない。まだブランド創立から2年足らずだが、卸売りを通じて約50万ドル(約7100万円)、そして企業や農場との対話を通じてさらに約18万ドル(約2556万円)近くの寄付金を集めることができた。始めた当初はうまくいくかどうか分からなかったが、期待以上の結果を生み出せて、誇りに思っている。卸先は「サックス・フィフス・アヴェニュー(SAKS FIFTH AVENUE)」「ノードストローム(NORDSTROM)」「エッセンス(SSENSE)」など世界70以上の小売パートナーで、その全てが卸売寄付プログラムに喜んで参加してくれた。これほど多くの企業組織を、一つの共通の目標に向かってまとめることができた会社を他に知らない。私たちは個々で活動するよりも、一緒に活動してこそ強くなれる。