農場から世界を変える「スカイ ハイ ファーム ユニバース」に注目集まる 「バレンシアガ」とも協業
同ブランドのスタッフ数は、未だフルタイム7人とパートタイム3人という小さなスタートアップ起業だが、ユニークな寄付システムにより、2年弱の活動で約70万ドル(約9940万円)の寄付金を集めている。ダフネ・シーボルト「スカイ ハイ ファーム ユニバース」共同最高経営責任者(CEO)兼最高マーケティング責任者(CMO)に、その興味深い活動と信念について訊ねた。
必要な人の手に利益が渡る
独自に考案した収益モデル
WWDJAPAN(以下、WWD):「スカイ ハイ ファーム」の活動について教えてほしい。
ダフネ・シーボルト共同CEO兼CMO(以下、シーボルト):環境再生型農業によって栽培された野菜や放牧された家畜を、社会から疎外され、新鮮で栄養価の高い食品を入手できないコミュニティーに寄付している。緊急の食糧支援のみならず、この農場はフードシステムにおける公平性を確立にも重点を置いている。その手段の一つが、青少年を対象とした教育プログラムだ。環境再生型農業や食料主権(どのように食物を作り、どのようなものを食べるかを自分たちで決める権利)について教えている。約9カ月間の有給フェローシップ・プログラムでは、「スカイ ハイ ファーム」で6カ月間働いて実践的に学び、その後3カ月は研究プロジェクトに参加する。参加者の費用は全額支給し、宿泊施設も提供している。また、環境再生型農業を実施する他の農家にも助成金を支給しており、今年は約35万ドル(約4970万円)が使われる予定だ。残念ながらアメリカでは、大規模な農業システムに多くの補助金が支払われている。そこで私たちは、多大な専門知識を持ちながらもその恩恵を受けていない人々の手に資金を渡そうと取り組んでいるのだ。
WWD:なぜ「スカイ ハイ ファーム ユニバース」を立ち上げたのか?
シーボルト:「スカイ ハイ ファーム」は非営利団体だが、通常そのような組織は寄付や助成金などの慈善事業に頼っているため、資金調達に限界がある。そのため、私たちは補足的な収入源が必要だと考えた。営利事業体を通じて、臨時収入や教育、意見や考えを表明する機会を創出すべく、「スカイ ハイ ファーム ユニバース」を本格始動させた。