なぜ鹿島ヴァイラー監督“電撃解任”はサポーターの反発を招いたのか…小泉社長がSNSで経緯説明も
鹿島アントラーズは7日、レネ・ヴァイラー監督(48)との契約を双方合意のもとで解除したと発表した。クラブ史上初のヨーロッパ出身指揮官として、今シーズンから指揮を執るスイス人のヴァイラー監督のもとで一時は首位に立った鹿島だが、直近のリーグ戦5試合で3分け2敗と失速。鹿島の小泉文明代表取締役社長(41)は自身のツイッターで「成績をはじめ総合的に判断、議論し合意した」と理由に言及したが、ファン・サポーターの激しい反発を招いている。
3分け2敗で4位後退…「総合的に判断、議論し合意」
ヴァイラー監督の退任が鹿島から発表された直後の7日午後2時すぎ。鹿島の小泉社長が自身のツイッター(@Koizumi)を更新し、指揮官を代える理由に言及した。 「成績をはじめ総合的に判断、議論し合意したことであり、レネ監督のこれまでの働きに感謝しております。また、このような状況になっていることは監督だけの問題ではなく、強化部をはじめ経営側にも反省点があり改善すべきことがあります」 鹿島もリリースで、クラブ史上で最短となる、就任から約半年でヴァイラー監督が退任する理由を「フットボールにおける現状と今後の方向性について協議した結果、双方合意のもと契約を解除することとなりました」と説明した。小泉社長のツイートはこれを踏襲した形だが、直後からファン・サポーターの激しい反発を招いている。 ホームの県立カシマサッカースタジアムにサンフレッチェ広島を迎えた、6日の明治安田生命J1リーグ第24節で鹿島は0-2で敗れた。横浜F・マリノスに0-2で完敗した7月30日の第23節を含めて、直近のリーグ戦5試合で3分け2敗と失速。一時は首位に立っていた順位を、広島戦を終えた段階で4位に下げていた。 もっとも、サッカー界全体では「まだ4位」という状況とともに、指揮を執って1年目のヴァイラー監督の突然の交代は驚きを持って受け止められた。対照的に鹿島のファン・サポーターの大半から批判されているのはなぜなのか。 ロングボールを駆使し、縦に速いサッカーを標榜するヴァイラー監督のもと、上位戦線につけていた鹿島の失速は、いま現在もJ1得点ランキングの1位タイに名を連ねるFW上田綺世(23、現サークル・ブルージュ)の移籍を抜きには語れない。 上田が最後にJ1でプレーしたのは、6月26日の名古屋グランパスとの第18節。直後の柏レイソル戦を2-1で制し、続くセレッソ大阪戦では3-3で引き分けた鹿島だが、北海道コンサドーレ札幌戦以降のリーグ戦4試合でわずか1ゴールにとどまっている。 移籍するまでに10ゴールをあげていた上田が抜けた穴はあまりにも大きく、必然的にもう一人のFW鈴木優磨(26)に大きな負担がかかる悪循環が生まれる。リーグ7位タイの7ゴールをあげている鈴木だが、夏場の過酷な戦いで後半途中から消耗する展開が続き、直近の3試合ですべて先発フル出場するも無得点が続いている。 日本人選手が若くしてヨーロッパへ新天地を求める傾向を踏まえれば、鹿島も上田の移籍に備えておく必要があった。ましてや2010年以降の鹿島は内田篤人、大迫勇也、柴崎岳、植田直通、昌子源、安部裕葵らが次々と海外へ移籍している。