なぜ日韓戦で右膝を大ケガした宮市亮は一度は脳裏に浮かんだ引退を撤回して4度目手術を決断したのか?
横浜F・マリノスは29日、日本代表として出場したEAFF E-1サッカー選手権の韓国代表戦で負傷退場したFW宮市亮(29)が、右膝前十字靱帯断裂と診断されたと発表した。近日中に手術を受ける予定で、全治などは明らかにされていない。度重なる怪我と左右のひざなどの手術を乗り越え、約10年ぶりに代表へ復帰していた宮市は自身のインスタグラムを更新。一時は現役引退を考えたなかでもさまざまな激励を受けて翻意し、再起を目指す決意を綴った。
後半31分に起きた悲劇…右膝前十字靭帯断裂
正式な診断結果を待つまでもなく、宮市は自身の右膝に再び重症を負ったとわかっていたのだろう。マリノスの発表から数時間後。自身のインスタグラム(@ryo381)を更新した宮市は、一時は心が折れていたと偽らざる胸中を明かした。 「受傷直後『やってしまった』と同時に『もう現役を終えよう。』と思っていました。自分の職業はプロサッカー選手、プロアスリートです。これまでの怪我歴、稼働率、本当にプロアスリートとして褒められたものではありません。チームを離脱する期間も長く、その都度チームに迷惑も沢山かけてきました。多くの人に失望もさせました。だから辞めようと思いました」(原文ママ、以下同じ) 5年前にも靱帯を断裂し、手術を受けている右膝がまたも悲鳴を上げたのは、27日に豊田スタジアムで行われた韓国とのE-1選手権最終戦の後半31分だった。同14分から途中出場していた宮市は、右サイドバック小池龍太(26、横浜F・マリノス)のスルーパスに反応。相手ペナルティーエリアの右側へ果敢に侵入していった。 先にボールに触ったのはDFクォン・ギョンウォン(30、ガンバ大阪)だったが、ボールは宮市に当たって再び前方に弾んだ。すかさず前へ抜け出した宮市へ、韓国のキャプテン、DFキム・ジンス(30、全北現代)が止めようとした次の瞬間だった。 競り合いそのものは、ゴールライン際で強引にボールを中へ折り返した宮市が制した。しかし、振り抜いた右足をついたところへ、勢いがついたキム・ジンスの右膝が偶発的に入った。右膝を捻って転倒した宮市は患部を抱え、しばらく起き上がれなかった。 宮市のもとへ駆けつけたメディカルスタッフから、プレー続行不可能の連絡が入る。予期せぬアクシデントに、森保一監督は別の選手と交代させるはずだったMF森島司(25、サンフレッチェ広島)を宮市に代えてピッチへ送り出した。