森保監督はカタールW杯へ向けてどんな準備プランを用意しているのか?
日本代表の森保一監督(53)が2日にオンライン取材に応じ、開幕が約3ヵ月半後に迫ったカタールワールドカップへ向けた準備プランに初めて言及した。注目される代表メンバー26人について「大会直前ではなく、少し前でもいいかなと思っている」と早ければ10月中にも発表する意向を示した森保監督は、カタール入り後に練習試合を要望しているとも明言。史上初めてヨーロッパのシーズン中に開催される大会へ、従来とは異なる準備を進めていく。
メンバー発表は前倒し
ワールドカップ史上で初めて冬に、つまりヨーロッパのシーズンの真っ只中に開催されるカタール大会へ向けた、日本代表の準備プランの一端が明らかになった。 まずは注目される代表メンバーについて、2日にオンライン取材に応じた森保監督は具体的な時期は示さなかったものの、大会直前の発表は避けると明言した。 「大会直前ではなく、少し前でもいいかなと思っている。少し前というのがどれぐらいなのかは(現時点で)わからないけど、早く発表して選手たちにワールドカップへ向かうメンタル的な準備をしてもらうことをも必要かなと思っている」 過去3大会のメンバー発表と今回とでは、状況が大きく異なってくる。 2010年の南アフリカ大会に臨んだ岡田ジャパンは5月10日にメンバーが発表され、6月14日にグループリーグ初戦を迎えた。2014年のブラジル大会に臨んだザックジャパンは5月12日の発表から6月14日の初戦を、前回2018年のロシア大会に臨んだ西野ジャパンは5月31日の発表から6月19日の初戦をそれぞれ迎えている。 いずれもヨーロッパのシーズンが終わるか、あるいは最終節を間近に控え、J1リーグ戦がワールドカップに備えて中断期間に入る直前にメンバーが発表されてきた。 対照的に11月21日に開幕するカタール大会は、ヨーロッパ各国の2022-23シーズンが11月12日および13日をもって中断。国内のJ1リーグ戦は11月5日に最終節を迎え、16位のクラブは同13日にJ1参入プレーオフ決定戦に臨む。 すべてを終えてからのメンバー発表では、すべてにおいてあまりにも慌ただしくなる。森保監督が言及した「少し前でもいいかな」はこうした状況を指したものであり、選手たちの心技体の特に「体」に関してはこう語っている。 「フィジカルに関しては、Jリーグの選手たちはシーズンを戦ってきているし、ヨーロッパでプレーしている選手たちもシーズン真っ只中なのでともに問題ないと思っている」 だからこそ「心」の部分を重視する。具体的な発表時期としては、ワールドカップ前で最後の代表活動となる9月下旬のヨーロッパ遠征を終えた後あたりか。 10月中旬以降は16日に天皇杯、22日にはYBCルヴァンカップの決勝が続き、J1戦線も優勝を含めた上位争いや残留争いが佳境を迎える。所属クラブでの活動に集中する環境を配慮すれば、早ければ10月上旬に発表される可能性もある。 会場などの詳細を詰めているヨーロッパ遠征では9月23日に北中米のアメリカ、同27日には南米のエクアドルと、いずれもカタール大会に出場する代表勢と対戦する。ワールドカップへ向けた連携・連動の確認と同時進行で、メンバーの最終的な絞り込みを行う期間を「難しいと言えば難しい」としながら、森保監督はこう位置づけた。 「どの国も同じ条件だし、その意味ではこれまで通りワールドカップに向けたいい準備になるように、目の前の活動を充実させていきたい。一戦一戦、そのときのベストを尽くしていくことの積み上げがワールドカップにつながると考えてきたし、逆に目の前の戦いを怠ればワールドカップへの道もつながらなくなると常に考えてきた。今回のワールドカップはこれまでとレギュレーションが違うなかで、次につなげていきたい」