日銀、追加緩和決定 黒田総裁会見(全文1)2%物価目標達成は2017年度中
日銀は29日、金融決定会合を開き、上場投資信託(ETF)の保有残高を年間6兆円ペースで増やす追加金融策を決定した。黒田東彦総裁が午後3時半から記者会見し、今回の措置について説明した。 【中継録画】日銀が追加緩和決定、黒田総裁が記者会見
本日の政策決定の狙いや期待する効果について
東京新聞:よろしいですか、幹事社の東京新聞のヨシダと申します。よろしくお願いします。幹事社から2つ質問があるんですけれども、まず1点目、本日の政策決定の狙いや期待する効果をご説明いただければと思います。併せて物価の見通しについてもご認識をお願いします。 黒田:はい。日本銀行は本日の決定会合において、金融緩和の強化を行うことを決定しました。具体的にはETFの買い入れ額を現行の年間約3.3兆円から約6兆円に相当するペースへとほぼ倍増させることとしました。また企業や金融機関の外貨資金調達環境の安定のための措置として、成長支援資金供給米ドル特則の総枠を120億ドルから240億ドルに倍増するとともに、米ドル資金供給オペの担保となる、国債の貸付制度の新設を決定しました。 英国のEU離脱問題や新興国経済の減速を背景に海外経済の不透明感が高まり、国際金融市場では不安定な動きが続いています。日本銀行としてはこうした不確実性が企業や家計のコンフィデンスの悪化につながることを防止するとともに、わが国企業および金融機関の外貨資金調達環境の安定に万全を期し、前向きな経済活動をサポートする観点から今回の措置を決定しました。 本日の決定会合では、金融市場調節方針、ETF以外の資産買い入れ方針、政策金利については、これまでの方針を維持することを賛成多数で決定しました。この間、政府は大規模な経済対策を策定する方向にあるなど、財政政策、構造政策面の取り組みを進めています。日本銀行が今回の措置も含め、マイナス金利付き量的・質的金融緩和を推進し、極めて緩和的な金融環境を整えていくことは、こうした政府の取り組みと相乗的な効果を発揮するものと考えています。