日銀、追加緩和決定 黒田総裁会見(全文1)2%物価目標達成は2017年度中
大規模な金融緩和の継続が、逆に政府の財政規律を緩ませるのではないか
東京新聞:2点目ですが、先ほどの総裁の発言にもありました、財政と金融の相乗効果という点なんですけれども、日銀の大規模な金融緩和の継続というのが逆に政府の財政規律を緩ませるのではないかという指摘もありますけれども、その点について総裁のご認識をお伺いしたいと思います。 黒田:財政政策は政府、国会の責任において行われるものであります。この点、政府は経済の再生のために機動的な財政運営を行うとともに、持続可能な財政構造を確立するための取り組みを着実に進めていく方針を明確にしているというふうに認識をいたしております。日本銀行はマイナス金利付き量的・質的金融緩和を推進しており、その下で金融環境は極めて緩和的になっていますけれども、これは2%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現するために行っていることであります。 一般的に政府が国債発行を通じて資金調達を行い、財政支出を行う場合には市場金利が上昇するため民間における投資が抑制される、いわゆるクラウディングアウトが発生するという問題があります。この点、同時に中央銀行が金融緩和を推進してる場合には国債発行に伴う金利上昇が抑制されるため、これらの相乗効果によって景気刺激効果がより強力なものになることはよく知られております。こうした政策の組み合わせはポリシーミックスと呼ばれておりまして、マクロ経済政策として一般的な考え方であるというふうに思っております。 わが国では3年前から機動的な財政運営と量的・質的金融緩和の組み合わせを通じて、強力なポリシーミックスを実施してきております。現在、政府において策定されている経済対策はこうしたマクロ経済政策をさらに強力に推進するものでありまして、わが国経済が物価安定の下での持続的成長を実現していく上で、非常に時宜を得たものというふうに考えております。 男性:幹事社からは以上です。各社、どうぞ。 ※全文2へ続く