アルファード対抗も「中国ZEEKR」の先端クルマ作り、“ギガキャスト”活用、電池含め生産自動化徹底
さて、プロダクトの話に戻ろう。日本に導入するZEEKR Xと009に加え001をサーキットで試乗してきた。ZEEKR Xは前述したようにボルボのEX30と同じアーキテクチャーで、ハンドリングは軽快で乗り心地もよい。一方、エクステリアやインテリアについてはEX30とは明らかに異なるデザインを採用している。 特にインテリアではセンターにあるモニターを助手席前までスライドさせることができる。これはカラオケのための機能だそうだ。中国人はカラオケが好きだからだという。運転の楽しさより、クルマで何ができるかを求める中国国内のニーズを象徴する機能とも言える。
■アルファード対抗の009 そして、009はトヨタ自動車の「アルファード」に対抗する位置付けとなる。ただし、ライバルではなく、「同じ市場を賑わす仲間だ」と副社長のマーズ氏は話していた。アルファードのハイブリッドもいいけど009のEVもいいよね、というわけだ。 ちなみに、この009は中国ではLiDARを搭載しておりレベル2でありながら、かなり高度な運転支援が可能になっているという。法律が許せばOTAでレベル4を実現できるとも話していた。そして日本向けモデルにはLiDARを搭載はしない方向で検討しているという。
もう1台は4モーターの001FR。日本導入の予定はないが、カーボンブレーキを標準装備したスポーツカーで高い旋回性能と経験したことのない加速がEVの可能性を強く感じさせる。ユニークなのは001には標準モデル(FWD)と性能を落とした廉価版もある点。これらは航続距離や車両価格などの実勢を考慮したモデルと言えよう。 これらのプロダクトを生産する工場についても取材ができた。ZEEKRは中国の3箇所に生産工場を持ち、杭州湾工場は寧波(ニンポー)にあって、001、009、ポールスター4を混流生産している。成都工場ではZEEKR XとボルボEX30を生産。梅山工場では007とZEEKR Xの生産を行っていて、最新のギガキャストを使ったモデルは001と009で、杭州湾工場で作られている。