「ゲリラ豪雨」と「夕立」の違いは? どちらも急激な雨を表す言葉だが… #災害に備える
急に曇ってきたかと思うと、いきなり空から雨つぶが落ちてきて激しく地面をたたきはじめ、あわてて近くの店の軒下などで雨宿りをする――。そんな経験をしたことがあるでのはないでしょうか。 こうした急激な雨を表す言葉としては「ゲリラ豪雨」や「夕立」が思い浮かびますが、この二つには何か違いがあるのでしょうか? 気象庁や日本気象協会に聞いてみました。
「ゲリラ豪雨」という言葉を使わない気象庁
「ユーキャン新語・流行語大賞」に2008(平成20)年にノミネートされるなど、今では一般的となった「ゲリラ豪雨」という言葉ですが、いつごろから使われ始めたのでしょうか? 一般紙大手3社(朝日新聞、読売新聞、毎日新聞)の記事検索サービスで「ゲリラ豪雨」が含まれる見出しの記事を検索したところ、3紙とも、1969(昭和44)年8月上旬に掲載した東北、北陸、信越地方の豪雨の記事が最古でした。他紙や他のメディアの記事でそれ以前に使われていたかどうかはわかりませんが、少なくとも、今から50年以上前にはすでに報道で使われていたことは確かなようです。 ただ、気象庁はこの言葉を使っていません。同庁天気相談所にたずねると、「それはマスコミさんが使っている言葉ですから」と話します。実際、気象庁の予報用語では、「ゲリラ豪雨」は使用を控える用語に位置付けられ、「局地的大雨」「集中豪雨」などを代わりの用語としています。その理由として、天気相談所は「たとえば、小学生の中には『ゲリラ』という言葉の意味がわからない子がいるかも知れません。また、『ゲリラ豪雨』という言葉を日本にいる外国人の方々の母国語に訳しても、多分伝わらないでしょう」と説明します。 そして、同じように「夕立」も、気象庁ではあまり積極的に使わない言葉だといいます。 「『夕立』は夏場の夕方に降る雨を意味しますが、雨の強弱は定義に含まれておらず、人によって受け取り方に幅が出て正確に伝えられません」(気象庁天気相談所) 「ゲリラ豪雨」は降る季節や時間帯は決まっておらず、「夕立」は雨の強さが決まっていないといえそうです。