NMB48・安部若菜さん小説「私の居場所はここじゃない」インタビュー 夢をめざす同世代へのメッセージ
いつか「小説家」になれたら
――2作目を書き終えて自信は出ましたか? 1歩階段を上ったような気持ちはあります。でもまだまだ「アイドルが小説を書いている」っていう感じなので、いつか「小説家やな」ぐらいの存在になれたら嬉しいなと思ってます。まだまだこれからだという気はしています。 ――次を書くと3作目になりますけど、いよいよ作家としても正念場という感じになってきますね。何か構想は? 私、もうすぐ大学を卒業するんですけど、大学にいるうちに大学生の話とか書けたら面白いな、とも思っています。 ――忙しいですけど、大学生活は楽しめてますか? サークルも入ってないので、大学生らしいことはそんなにできてないんですけど、でもいつも学食で美味しく食べてます。 ――仕事があると、学校に行って授業に出るだけで大変かもしれないですね。目標にする作家や、参考にしている作家とかはいますか? もう本当に恐れ多いんですけど、憧れてるのは凪良ゆうさんです。 ――前回 も『汝、星のごとく』が良かったと話していましたね。 もうずっと大好きですね。一筋縄ではいかないお話が好きで、自分もそんなお話を書けたらいいなと思ってます。 ――最近読んで面白かった本は? 佐原ひかりさんの『スターゲイザー』(集英社)。これもアイドルをテーマにした本だったんですけど、男性アイドルのデビュー前を描いた小説で、アイドルとしても共感するところも多かったですし、でも自分の知らない世界でもあって、すごく楽しく読ませていただきました。 ――アイドルをテーマにした小説を読んでいると、「ここは違うな」と思ったりしないですか? 私もそれがあるのかなと思ったんですけど、性別が違うので、仕組みが違うところがあるとはいえ、楽屋で話してる内容も「こんな会話したことある」とか、メイク道具を回して貸し借りするとか「もう、やってる!」みたいなことが多かったので、読んでびっくりしました。 アイドルが読むように書かれていないのかもしれないんですけど、すごく共感するところも多くて、切なくなりながら、でも出てくるメンバーを推したくなる気持ちで読んでました。 <安部若菜(あべ・わかな)さんプロフィール> 2001年7月18日生まれ、大阪府出身。2018年1月、NMB48に合格。"100通りの楽しみ方ができるアイドル”として、小説、落語、投資と様々なジャンルで積極的に活動の場を広げている。2022年11月にアイドルとオタクの恋愛と成長を描いた小説『アイドル失格」を刊行し、小説家デビュー。同書はドラマ化やコミカライズされ、注目を集めた。
朝日新聞社(好書好日)