NMB48・安部若菜さん小説「私の居場所はここじゃない」インタビュー 夢をめざす同世代へのメッセージ
安部若菜さん2作目の小説『私の居場所はここじゃない』(KADOKAWA)が発売されました。2年前のデビュー作『アイドル失格』(同)に次ぐ、芸能界を舞台にしたストーリー。今度は夢の舞台をめざす高校生男女5人の人間模様を描いています。栄光あれば挫折あり、青春まっ盛りの同世代に、どんなメッセージを込めたのでしょうか。(文:吉野太一郎 写真:篠塚ようこ) 【写真】安部若菜さんインタビューカットはこちら
あらすじ
大手事務所主催のエンターテイメントスクール。事務所所属をかけたオーディションに向け、高校生5人はレッスンに励んでいた。成り行きでアイドルを目指すことになり、当たり前だった「青春」や友人関係に息苦しさを感じ始める莉子。亡くなった母の期待を背負い、結果を残したいと焦る、ダンスボーカルグループ志望の冬真。母の言葉で将来の夢を決め、SNSの活動を頑張るモデル志望の美華。「特別」になりたいと強く願う俳優志望の純平。自ら芸能活動を辞めたが、もう一度自分の居場所を求めて入学を決意した、元天才子役のつむぎ。嫉妬や葛藤を乗り越え、最終オーディションの舞台に立つ――。
構想から悩み抜いて書いた小説
――前作『アイドル失格』のインタビュー で「2冊目も書きたい。次はもっと学生たちの青春に焦点を合わせたものを」と言っていましたが、まさにそういった作品になりました。 そうですね。今回は高校生5人が主人公で、芸能界という夢を目指す物語なので、本当に前回言っていた通りの青春なお話になりました。 ――前作に続いて芸能界にまつわるストーリーでした。やはりこだわりましたか? 芸能界を離れたものを描こうかなとも思ったんですけど、やっぱり自分らしい小説って何だろうと考えた時に、アイドルをしている経験を活かせるものがいいなと思って。でも5人は本当に普通の高校生たちなので、あまり芸能界に詳しくない方にも楽しく読んでもらえる本を目指しました。そこは共感しながら読んでいただけるんじゃないかなと思ってます。 ――前作はアイドルとファンの恋物語だったので、ある程度、期待した展開に沿って物語が進んでいく感じがありましたが、今回は意外な展開でした。ストーリーはいろいろ考えましたか? 今回はストーリーやプロットを考える時間が1年ぐらいかかったので、キャラクター5人もすごく悩んで出来上がったのが今回のストーリーです。夢に対するいろんな姿勢を描こうっていうことだけ決めて書きあげました。 ――どんなところに悩んだんですか? 芸能スクールを舞台にするというのもなかなか最初決められなくて、この5人のキャラクターも、普通にいそうな子を考えてたんですけど、ストーリーとして面白くさせるにはどうしようと悩みました。