闇バイト強盗に襲われたら…いますぐできる「自宅防犯」3つのこと
2024年日本を震撼させた頻発する闇バイト強盗
闇バイトによる凶悪な強盗事件が多発した2024年。なんと「ホワイト案件」という闇バイトの隠語が「新語・流行語大賞」のトップテンに選ばれるほど、闇バイトの問題が社会を揺り動かした。 【画像】多発する強盗事件…今どきの防犯に大切なポイント 警察庁のまとめでは、今年8月以降の闇バイトが関連した強盗事件の発生件数は、北海道、栃木、埼玉、千葉、東京、神奈川の6都道府県で24件に上り、このうち22の事件に関与したとして56人が逮捕されている(12月5日時点)。政府も闇バイト対策に取り組み始め、12月17日には、SNS上で闇バイトに接触し、捜査員が「仮装身分捜査」できるような緊急の対策を決定した。 しかし、被害はいたちごっこともいえる。年末も押し迫ったこの時期、12月22日には千葉県柏市と旭市で強盗事件が相次いで発生し、首を絞められたり、ナイフで刺されるなどの被害が出ている。今年起きた事件を見ても、窓ガラスを大胆に割って侵入したり、家の中に人がいても平気で暴行して金品を奪ったりと、乱暴で非道さが目立つ。泥棒にルールや流儀などがあるとは思わないが、これまで私たちが認識していた空き巣や強盗に対する常識が通用しない相手であることは確実だ。 この状況でどうしたら家を守ることができるのだろうか? ホームセンターや大型家電店などでは、防犯対策グッズを集めたコーナーを展開しているところもあるが、実際に行ってみると、何をどう準備していいかわからないというのが本音だ。年末、実家に帰郷し、離れて暮らす親と話すこともある今こそ、闇バイト強盗対策を考えるときといえそうだ。そこで、大手警備会社・セコムの古山絵利加さんにお話を伺った。
ホームセンターで呆然、何を買ったらいい?
闇バイトによる強盗事件が多発した夏以降、人と会うたびに「どうしたらいいのか?」という話題になった。もっとも多かったのは、自分の家の防犯、というよりも、「離れて暮らす親の家の防犯対策どうしよう」という心配だ。70代後半~80代という高齢の親を持つ私たち。子どもたちが独立して家を出た後、両親のどちらかが先立ち、現在親が一人暮らしをしているというケースは少なくない。しかも、都心部でない場合は、「一戸建てに一人暮らし」という親も多い。 実際、担当編集者のAさんは、東京郊外の閑静な住宅街の一戸建てに80代の母親が住んでいる。 「亡くなった父が自然光をふんだんに取り入れたいと大きな窓をたくさん配置した家で……。平和な時代には日差しがたくさん入って気持ちよかったですが、窓が多いということは強盗が入りやすいことを意味していると思ったら恐ろしくなりました」と話すAさんは、闇バイト強盗事件が多発するようになってから、母親と一緒に防犯グッズが豊富とテレビで紹介されていた大型ホームセンターや大型電気店を回り、防犯カメラや人感センサーライトをチェックしてみたという。 ところが……。 「防犯カメラもいろんな種類があって、撮影出来る範囲も異なるんですよね。さらに最新のものはスマホで遠隔操作できるのは便利でも、実家にWIFIがないと使えないことが判明。簡単に話を聞いただけではうちの実家に取り付けられるものはどれなのか、本当に最適なものはどれなのか、まったくわからなかった。 人感センサーライトにしても、センサーが働く範囲は意外と狭くて、取り付けてみないと反応するのか判断できないものばかりで。取り付け方も、説明書きを見ただけでは自分や母親がちゃんとできるか不安だし、よっぽど防犯機器の知識がないとどの防犯グッズを購入すればいいか途方に暮れるばかり。売り場にいる人も防犯グッズに特別詳しい人でなくて……。しかも、窓に貼る防犯フィルムに関しては、大きいサイズは品切れしていて、製造が追いつかないのでいつ入荷するかわかりませんと……。自力での防犯の難しさを感じました」という。 Aさんだけでなく、地方によっては、泥棒が入るという概念もなく、夜以外は鍵すらかけないという地域もある。親に防犯の話をしてもイマイチ危機感は薄いし、だからと言って自分も何をどう準備すればいいかわからない、という声は少なくない。 何を準備すればいいのか、知るためにセコムに向かった。