〈温室に住みた~い!〉温室マニア・宮内元子さんに聞く植物園の温室をもっと楽しむ方法【私の植物偏愛記・1月号こぼれ話】
観賞大温室の四角さは力強く、2つのかまぼこ型の熱帯果樹温室はユーモラスで優しい感じ。日が暮れて夕闇の中に温室の窓から光があふれ出すと箱舟のようで美しいのも好きです。
水戸市植物公園で見逃せない、宮内さんおすすめの植物
もちろん、中身も見どころはたくさんあります。私の個人的なおすすめ植物は以下の3つです。
1.斑入りバナナ ムサ・'アエアエ' 縞々のバナナで、葉っぱの縞は横縞なのに果実の皮の縞は縦縞なのが見どころです。私の中でのあだ名はマギー師匠バナナです。 *編集部注:わからない方は、「マギー師匠 ハンカチ 縞」などで検索を。お時間のあるときに。
2.ヒスイカズラ 2024年はヒスイカズラの花の当たり年でした。2025年はどれくらい咲いてくれるか楽しみです。じつは、渋谷の植物園のヒスイカズラからつるをとり、さし木してふやした株が水戸の温室には植わっています。「同じ移籍組としてお互いがんばろうな」と思っています。
3.サルビアコレクション 温室の植物ではないですが、水戸に来たらサルビアはぜひ見ていただきたいです。私も水戸にきて、こんなにサルビアに種類があるのかと驚きました。秋の開花期には色とりどりのサルビアが咲き誇り圧巻です。植物の多様性を感じるコレクションです。
まとめると、「植物園はおもしろい!」ということです。みなさんも、ぜひお近くの植物園に足を運んでみてください。 宮内元子(みやうち・ちかこ) 水戸市植物公園勤務。元渋谷区のふれあい植物センター園長、2022年から現職。本誌では多肉植物や果樹の紹介などで活躍。植物と触れ合う機会を提供することで、人同士のコミュニケーションを活性化させる達人。 ●『趣味の園芸』連載 「私の植物偏愛記」 本誌で活躍する講師のみなさんに、「愛好家」としてのお話を聞いていきます。「こんな植物が好きだったのか」と意外な側面を発見しつつ、植物に対する熱い思いもたっぷり教えてもらいましょう。 1月号掲載・第10回では、宮内元子さんに植物関連の蔵書についてお話を伺いました。 最初の写真は、ご自宅の本棚の前で『樹皮の文化史』(名久井文明著)を手に笑顔の宮内さん。「みんなの趣味の園芸」で募集したみなさんからの「植物の本」も、宮内さんのコメントとともにご紹介しています。テキストでご覧ください!