〈温室に住みた~い!〉温室マニア・宮内元子さんに聞く植物園の温室をもっと楽しむ方法【私の植物偏愛記・1月号こぼれ話】
おなじみの講師の方々に、愛する植物を思う存分語っていただく連載「私の植物偏愛記」。『趣味の園芸』2025年1月号では、いつも楽しい語り口で植物の魅力を伝えてくれる宮内元子さんが登場! 誌面では、宮内さんが「至らない脳の外付けハードディスク」だという植物関連の蔵書についてお聞きしました。 興味関心の範囲が果てしなく広い宮内さん。テキストでも紹介したように、「いつか住みたい」というほどの温室好きでもあります。ウェブだけで読めるこの「こぼれ話」では、宮内さんの温室愛と、宮内さんの勤める水戸市植物公園の温室について、お話を伺いました。
宮内さんだけ? 通好み過ぎる温室の観賞ポイント
今回紹介した本やアート、雑貨など、植物関連の物はだいたい好きですが、温室は特に好きです。なんなら植物そのものより好きかもしれません(笑)。いつか温室に住みたいと本気で思っています。仕事柄、各地の植物園に行くことがありますが、温室を見るときは物件探しのような気持ちです。 そんな私から、おすすめの温室の楽しみ方をご紹介します。 まずは、植物園で働く人間として、大真面目に1つ。温室は、ぜひ2周してみてください。 1周目は順路通りに、2周目は順路とは逆回りに周ります。逆回りすることによって、見ていた景色が全く違ったものになり、一度目には目に留まらなかった植物に気づいたりします。これだけで、温室は2倍楽しめます。
今度は、一人の温室マニアとして。つい見てしまうポイントが2つあります。窓の開閉装置や温度管理用の操作盤と、施設上部の窓や骨組みに設置されたキャットウォークです。
通好み過ぎる楽しみ方だと自覚していますが、その植物園のスタッフさんが普段どんな管理を行っているか、樹高が高くなる植物やつる性植物の手入れ方法など、「苦労してるんだろうな~」と妄想するとニヤニヤ笑いが止まらなくなります。温室で働いた経験があるからこその見方かもしれません。
水戸市植物公園の温室紹介
私が働く水戸市植物公園にも、温室があります。温室は昔からずっと好きでしたが、「建築としての美しさ」みたいなものは水戸に来て初めて感じました。贔屓しているわけではありません(笑)。 芝生の柔らかい稜線の奥にカチッと四角い温室がはまり込んで見える芝生園からの眺めにうっとりします。建物の美しさが自然の風景の中に溶け込んでいると感じます。