FIA F3とFIA F2を連続制覇しF1へ。ボルトレート「インビクタにとっては大きな賭けだったと思う」
2024年シーズンのFIA F2ドライバーズタイトルは、ガブリエル・ボルトレート(インビクタ・レーシング)が獲得した。シーズン最終レース終了後、FIA F2公式によるチャンピオンインタビューに臨んだ20歳のブラジル人ドライバーは、F1直下のFIA F2でシリーズチャンピオンとなった心境、そしてF1ドライバーとして望むことなどを語った。 【写真】F1アブダビテスト ガブリエル・ボルトレート(キック・ザウバー) FIA F2:2024年FIAフォーミュラ2チャンピオン、ガブリエル・ボルトレート。気分はどうですか? 「人生で最高の気分だよ。とても長いシーズンだった。ジェッダやメルボルンではクラッシュを喫してしまったけど、チームは決してあきらめなかったし、僕もあきらめることはなかった。僕らには幸運もあったけど僕たちのペースは、新しいサーキットに対応できるマシンを作るために夜遅くまで取り組んだシミュレーション作業など、すべて自分たち自身で作り出したものなんだ」 「とても長いシーズンだった。2024年シーズンでの僕の進歩は、ドライバー人生のなかで最高の進歩だった。個人的にもプロフェッショナルとしても大きく成長できたし、多くのことを学んだ。このチャンピオンシップを制することができたのも、たくさんの新しい出会いがあったからだ。このチャンピオンシップを達成するのに協力してくれた人たちにとても感謝し、同時に彼らをとても誇りに思う」 FIA F2:シャルル・ルクレール、ジョージ・ラッセル、オスカー・ピアストリ、そしてガブリエル・ボルトレート。ルーキーとしてFIA F3/GP3シリーズとFIA F2を連覇した輝かしいドライバーの仲間入りを果たした。あなたにとってはどんな意味があると思いますか? 「彼らはみんなF1で優勝しているドライバーだから、彼らの名前に囲まれていることはとても名誉だ。彼らはジュニアシリーズでレースをしていた時期から、ルーキーとしてチャンピオンシップを制し、F1チームを驚かせ、F1のシートを獲得し、成長し、F1でレースで勝利を飾ってきた。それは僕の目標のひとつでもある。F1で母国を代表し、レースで勝利を飾り、いつかチャンピオンになることが目標だ。だから、彼らのような人たちに囲まれて、それを達成できた数少ない人たちのひとりになれたことは素晴らしいことだと感じている」 FIA F2:あなたはインビクタ・レーシングに初のドライバーズチャンピオンをもたらしました。チームの環境はどうでしたか? また、インビクタの躍進の鍵は何だと思いますか? 「2024年シーズンは浮き沈みが多く、チームとたくさん仕事をしていると、ときにはお互いの顔を見るのに嫌になってしまうこともあったね。今シーズンはとてもタフで、僕の側からも、彼らの側からも厳しいことがあった。でも僕らが常に目指していたのはただひとつ、チャンピオンシップを勝ち獲ることだった。レースごとにベストを尽くし勝利を掴み、レースウイークを走るごとに成長し、その成長ぶりを最高の結果で証明し続けることだったんだ」 「僕がインビクタ・レーシングに初めてドライバーズタイトルをプレゼントできたのは、とても素晴らしいことだね。彼らは以前にもチームチャンピオンを獲得(編注:ビルトゥジ/現インビクタが運営を担当した2017年のロシアン・タイムのチームタイトル獲得のことだと思われる)していたが、僕が彼らに初めてのドライバーズタイトルをプレゼントできた」 「彼らにとって大きな賭けだったと思う。なぜなら、彼らが僕と契約したとき、僕はまだFIA F3のチャンピオンでさえなかったからね。彼らにとっては、ルーキードライバーがチャンピオンになれるかどうかという賭けだったと思うけど、僕は彼らの要求に応えることができたと思うし、それを誇りに思っている」 FIA F2:あなたはFIA F2、そしてサポートパドックを去ることになります。スポーツでの輝かしい結果は別として、これからあなたは何を望み、何を持ち続けるのでしょうか。 「2024年シーズンから言えることは、決して諦めないこと、プッシュし続けること、そしてリーダーであり続けること。そして、落ち込まないようにすることだね。前向きで、落ち込ませるのではなく、引き上げてくれる存在が必要だ」 「シーズン初めの困難な時期(ジェッダとメルボルンの4レースで無得点が続いた)に、家族、チーム、ガールフレンド、スポンサー、連盟(ASN)、ブラジルのみんな、ファンのみんなが『ガブリエル、落ち込まないでプッシュし続けろ。君ならできる、優勝できる』と言ってくれたからね。それが僕が最も学んだことだと思う」 「自分の夢を達成するためには、良い人たちに囲まれている必要がある。2025年はこのことをチームに持ち込み、彼らを成長させることができればと思う。なぜなら今、キック・ザウバーはアウディと新しいプロジェクトを進めているチームだからだ」 「僕たちはたくさん開発を進める必要があり、僕は素晴らしいリーダーになれることを願っている。F1ではルーキーだからリーダーという言葉は適切ではないと思うけど、ニコ(・ヒュルケンベルグ)と一緒に素晴らしい仕事をして、将来アウディで多くのことを達成できるようになることを願っている」 [オートスポーツweb 2024年12月12日]