新潟に異色のドラフト”隠し玉”156kmサイドスローの前川哲…日ハム、巨人、中日がリストアップ
プロ野球のドラフト会議が26日に迫っている。1位指名と共に注目されるのが各チームで独自に調査している『隠し玉』と呼ばれる逸材だ。その一人として日ハム、中日、巨人の3球団がリストアップしているのが、BCリーグ、新潟アルビレックス・ベースボール・クラブに所属する異色の右のサイドハンド、前川哲(24)だ。今回のドラフト候補の中で最速タイとなる156キロのストレートを誇るBCリーグ中地区のセーブ王。前川は、「NPBでやれる自信はある。今年ドラフトにかからないなら引退」の決意で運命のドラフトを待つ。
常時150キロをマーク
新潟の地に異色の”隠し玉”がいた。 180センチ、93キロの巨漢から最速156キロのストレートをサイドから右打者の背中越しに豪快に投げ込んでくるBCリーグ中地区のセーブ王、前川哲だ。今回のドラフト候補の中で最速タイの球速。メジャーから凱旋してドラフトを待つBCリーグ埼玉、田沢純一の最速が156キロだが、ずいぶんと昔の記録。それを前川はサイドハンドでマークするのだから打者の体感としてはさらに速い。しかも、たまたま出たという”まがい物”の最速ではなく、常時ストレートは150キロを超えてくる。 巨人、西武、楽天で“参謀”を務め、今季は新潟の強化アドバイザー兼総合コーチとして前川を見てきた橋上秀樹氏は、「細かいコントロールはまだ課題だが、150キロ中盤のスピードがあるのは魅力。球威で抑えきれる。変則だしスペシャリストとしてプロでも面白い存在になると思う。右の外国人や右の主軸に対するワンポイントなんかでね。なんとかドラフトでひっかかってくれれば」と評価する。 新潟産業大附属高から新潟に入って6年目。 甲子園出場経験もなく、中央では、まったく無名の存在だが、日ハム、巨人、中日の3球団が変則サイドの前川を”隠し玉”としてリストアップしている。 前川も運命の日を心待ちにしている。 「緊張と少しの楽しみがあります。去年も調査票は届いていましたが、たぶんないだろうとあまり感触は良くありませんでした。でも、今年はドラフトの蓋をあけてみないとわからないぞ、というところまで成績をまとめることができました。どこの球団でも、たとえ育成でも構いません。どんな形であれNPBに入れれば活躍する自信はあります」