アンドロイド観音にAIジーザス、テクノロジーが宗教に変革 「あなたはAIを信じますか?」
テックで人の信仰体験は変わるのか
結局のところ、ロボットは人間の真似をするようにプログラムされた人格のない機械にすぎない。人は、AIアルゴリズムにどれほどの信仰を置くことができるのだろうか。祈りを唱えたり説教したりするロボットや携帯アプリを、どれだけ信頼できるのだろうか。 世界中の宗教指導者たちが、この問題を真剣に考え、数年前から議論を重ねてきた。そして2024年7月、AIの倫理的な開発を促進するために、世界の主要な宗教を代表する人々が広島に集まった。原子爆弾という当時の新技術によって破壊された過去を持つこの都市で、テック企業や大学と連携してAIの責任ある使用を求めるローマ教皇庁が主導する提言「AI倫理のためのローマからの呼びかけ」に、新たに16人の宗教指導者が署名した。 「重要なのは、私たちがテクノロジーをどのように使うかです。宗教にとって代わるのではなく、宗教をよりよくするために使うべきです」。デジタル時代の信仰について、シスター・イリア氏はそのように話す。「私たちは、どうしたらもっとお互いへの帰属意識を高めることができるでしょうか。私たちが神と呼ぶいのちの力を、どうしたらもっと意識できるようになるのでしょうか」
文=Daniel S. Levy/訳=荒井ハンナ