米国における生成AI利用、PCとインターネットの黎明期を超える普及率に、最新データが示す生成AI活用の実態
業種別に見ると、金融・保険・不動産分野が51.2%と最も高い利用率を示し、農業・採掘業(35.7%)、専門・ビジネスサービス(33.7%)と続く。一方、レジャー・宿泊業は15.2%と最も低い利用率となっている。 利用頻度に着目すると、さらに興味深い傾向が浮かび上がる。コンピューター・数学関連職では、28.5%が週に1日以上利用し、さらに17.3%が毎日利用。管理職でも、24%が週1日以上、22.3%が毎日利用するなど、高い頻度で活用していることが分かった。 また企業規模による違いも確認された。大企業ほど生成AIの利用率が高い傾向にあるのだ。ただし、企業規模別の差は予想よりも小さいという。企業が公式に採用していなくても、個々の従業員が独自に生成AIを活用している可能性が示唆される。 性別による生成AI利用率にも違いがみられる。男性の32.2%が職場で生成AIを利用しているのに対し、女性は23.3%にとどまる。これは、1984年のPC普及初期において、女性の利用率(29.6%)が男性(21.6%)を上回っていた状況とは対照的である。当時は、事務職や管理支援職における女性の比率が高く、ワードプロセッサーからPCへの移行期であったことが背景にある。 総じて、生成AIの職場での利用は、特定の職種や業種に限定されることなく、幅広い領域で進んでいることが明らかになった。生成AIが汎用性の高いツールとして認識・活用されていることを示す数字といえるだろう。ただし、性別や職種による利用率の差は、新たなデジタルデバイドを生む可能性を示唆している。
タスク別の生成AI利用状況
職場でのタスク別分析からも、生成AIが幅広い用途で利用されている状況が浮かび上がった。職場での利用において最も重要視されているのは文章作成で、38.4%のユーザーがこれを最重要タスクの1つとして挙げている。これに管理業務(26.8%)、テキストやデータの解釈・翻訳・要約(23%)が続く。