「背負っていたものがなくなった」女優に憧れた手島優がパートナーを見つけ得られたもの
女優になるはずがグラビアアイドルに
――芸能人になるため上京し、売れるまではどうでしたか。 手島優: 厳しい父親に「東京行きたいのなら何か資格を取れ」と言われて、栄養士になるための短大を選び、どうにか許してもらいました。でも私の本当の気持ちは「女優になりたい」。だから自分で応募して、ちっちゃいエキストラ事務所を転々としました。「女優をやりたいのならグラビアやったほうが、名前が売れる」と大人に言われ、学生時代は水泳部だったので水着に抵抗ないし、「売れるんだったらやります」と。 当時は10代アイドル全盛だったので、2歳サバを読んで19歳としてデビュー。プロフィール変更が当たり前の時代で、デビューしたいから仕方がないと思いました。けれど、いざデビューしてもオーディションを受けては落ちるの繰り返し。女優を目指しているのに、全然芽が出ない。撮影会はお客さんゼロ、街中で商品を手売りして、スーパーの屋上で歌ったり水着になったりを27歳までしていました。グラビアは競争が激しいじゃないですか。他の子とどうしたらかぶらないかを考えて、露出を多くするとか、ヒョウ柄やキラキラした水着選ぶとか。次第に感覚が麻痺して、恥ずかしさを感じなくなって、最後は寒さ暑さも感じない。開き直って「見て!」みたいになりました(笑)。テレビ出演できても、水泳大会の何百人のうちの1人、名札つけないと誰だかわからないというポジションでした。 ――30歳で突然、年齢サバ読みを告白しましたよね。あれはなぜですか。 手島優: 結構テレビ出演している時で、ファンの方を騙している感じが嫌で、人知れず悩んでいたんです。事務所から「公表しなくてもいい。急にそんなことしてもファンの方はびっくりする」とさとされたんですけど、「応援してもらうにはやっぱり嘘はつけないです」と相談して、承諾を得て発表しました。 ――告白は勇気がいるし、ドキドキしたでしょう。反響はいかがでしたか。 手島優: それが、まったくなかったんです(笑)。まわりは「知ってたよ」みたいな感じでしたから、もっと早く言えばよかった。ファンの方は薄々気づいていたのかもしれないけど、「年齢は別に関係ないよ」という反応で、「みんなあったかいなあ」って思いましたね。そして「私も若く見えるように頑張っているから、努力は買ってください」と(笑)。