「老化、いらっしゃい」と受け入れてみる。南野陽子が語る“ポジティブな歳の重ね方”
80年代トップアイドルとして活動し、現在はドラマや映画・舞台に活躍の幅を広げている、女優で歌手の南野陽子さん。数年前から自身の更年期障害をオープンにし、その症状や向き合い方について語ったことでも話題を呼んだ。50代半ばを迎え、最近は老いを感じることも増えたという南野さんだが、「老化は笑っとけ」と明るく語る。彼女は更年期や老化とどう向き合っているのか、話を聞いた。(聞き手:荻上チキ/TBSラジオ/Yahoo!ニュース Voice)
周囲に伝えにくい更年期障害 つらい時は家族や友人を頼っていい
――南野さんが更年期障害を実感するようになったのは、どんなタイミングでしたか。 南野陽子: 45歳になった頃から、「この汗はなんだろう」とか「めまいがするな」「疲れるなぁ」という症状が出てきたんです。原因を調べてもわからず、最終的にこれが更年期の始まりかと気づきました。 ――特に更年期障害の症状が辛かったのは、いつ頃でしたか? 南野陽子: 一番しんどかったのは、4~5年前でしょうか。撮影中、セリフを言っている時にもクラっとめまいがして、変な汗が出てきて。「本番直前までじっとさせてください」と休ませてもらうこともあったんです。そういった症状が出てからは、ギチギチに詰め込んでいたスケジュールや仕事量を調整して、仕事の合間に休む時間を作るようになりました。 ――ご自身として、更年期障害にどのように向き合ってきましたか。 南野陽子: 共演する先輩の女優さんとお話しするなかで、「更年期障害はしんどくても、それを越えた後は晴れやかで元気になる」と言う方が多かったので、今はそういう時期なんだと考えるようにしていました。晴れの日もあれば雨の日もあって、たまにはびっくりするくらいの雪の日もあるのと同じで、年がら年中つらいわけじゃないし、一生続くわけじゃない。落ち込んでも文句言ってもしょうがないなと思っていましたね。 だから「今は我慢の時!」「はい、今日は具合悪い日!」と前向きに割り切って、つらい日は無理せずに予定の半分だけこなそうと切り替えていました。 ――更年期障害の症状がどうしてもつらい時は、どのようにケアされていましたか。 南野陽子: お香や香水の香りを楽しむ、好きな音楽をかける、入浴剤を入れたお風呂に浸かるなど、リラックスして心が穏やかになる時間を作るようにしていました。 あとは「ちょっとくらい太ってもいいや!」とお菓子をおいしく食べて、堂々と自分を甘やかす日もありました。プチ贅沢みたいな感じですね。 ――これから更年期を迎える方もいらっしゃいますが、どのように更年期障害と向き合っていけば良いと伝えたいですか。 南野陽子: 職場などでは更年期障害がつらいとは言いにくいかもしれませんが、せめてご家族や友人には伝えるなどして、誰かに頼ってもいいと思っています。 つらいのを我慢して無理したところで、うまくできなかったり、自分のイライラが人に伝わってかえって良くない結果になってしまったりするときもあるじゃないですか。人は持ちつ持たれつ。時には頼って感謝して、その代わり自分が元気な日にはできることをやる、ということでもいいのかなって思うんです。