2025年の初詣におススメ!「べらぼう」時代の江戸を体感できるパワースポット
■江戸の女性も救った「總持寺」 (足立区) 天長3(826)年、弘法大師が東国巡錫の際、かんばつで荒れ、疫病が流行していたこの地で祈願を行い創建した。ご本尊は、弘法大師が自ら彫った十一面観音菩薩像。 江戸時代には厄除け祈願所として有名になり、周辺は門前町としてにぎわった。特に女性の厄除け祈願を行う寺としても知られ、女性の諸願成就に霊験がある、如意輪堂(にょいりんどう)を境内に祀る。厄除け大師の歴史は現在も続いており、護摩祈願、車祈願、水子供養などを毎日実施。いつ来ても、誰でも受け入れてくれる懐の深さを感じる。 季節の花の美しさでも親しまれ、樹齢約700年の藤は4月下旬が見頃。楼門は江戸時代後期の建造で、左右に金剛力士像が立ち、上層中央には仏を祀る須弥壇がある。 ■庶民の英雄も眠る「回向院」 (墨田区) 隅田川の東側、両国橋の袂に立つ回向院。明暦3(1657)年、「明暦の大火」で亡くなった約10万人の無縁仏を供養するため、四代将軍・家綱の命により「万人塚」を設置。遵誉上人が大法要を行うお堂が築かれ、回向院の前身となった。 その後も震災や戦災などに見舞われたが「有縁・無縁、人・動物にかかわらず、生あるすべてのものへの仏の慈悲を説く」という理念を貫徹。「猫塚」「オットセイ供養塔」など動物供養も行う。 江戸時代には、観世音菩薩や弁財天をお参りするため、巡礼者が訪れ、善光寺など有名寺院の秘仏御開帳も行われた。大名屋敷を専門に盗みを重ねたことで知られる鼠小僧次郎吉は天保3(1832)年に処刑された後、ここ回向院に葬られた。長年捕まらなかった強運にあやかり、いまも参拝者が絶えない。 (構成 生活・文化編集部 白方美樹)