厚底のフットベッドに秘められた水への想い 「FREEWATERS(フリーウォータース)」のサンダルが“気持ちいい”理由
「その目標を実現するためには、何よりまず一足一足を長持ちさせることが重要だと考えています。どのモデルもシンプルで丈夫な作りになっており、アウトソールもすり減りにくい素材を使用しています」 たしかに製品自体が長持ちすれば、過剰な生産を防ぐことができ、廃棄物も削減できる。
リサイクル素材も積極的に使用する。 「シーズンや状況に応じて比率は変わるのですが、鼻緒やストラップの生地、アウトソールなどにリサイクル素材を使用しています。また、生産時に排出される水はすべて工場内の湿地で自然に浄化させることで、ゼロエミッションにも取り組んでいます」 以前は、定番モデルにひまし油から作られるEVA樹脂のフットベッドを使っていたこともあった。
きれいな水を確保するウォータープロジェクトに力を注ぐ
そして創業以来続けている社会貢献活動がウォータープロジェクトだ。 「生活用水の確保が難しい場所で、水を確保するサポートをするプロジェクトです。今でも世界の各地には、人々が水不足からくる感染症に苦しんでいたり、過酷な水汲みのために子どもたちが学校に行けなくなったりしている地域がたくさんあります。FREEWATERSでは、きれいな水はすべての人類に平等に与えられるべき基本的人権のひとつと考えています。そこで売り上げの約1%をウォータープロジェクトに投資しています」
投資とはいっても、単に資を投じるだけではない。 「FREEWATERSが目指しているのは、一時的な解決ではなく、継続的に水を得られるようにすること。そのため、プロジェクトチームが現地に赴き、地域の人々と協力して、井戸を掘ったり、ウォーターフィルターシステムを設置したりしています。活動の内容は公式ホームページで確認できますが、これまで、井戸はケニアで36基を掘り、ウォーターフィルターシステムはハイチで16基、フィリピンでは28基を設置しました(2024年7月現在)」
プロジェクトチームが去った後も、現地の人々だけで水の確保を継続できるように工夫しているという。 道具や備品は現地で調達できるものを使用し、井戸もウォーターフィルターシステムもメンテナンスがしやすいようシンプルな構造だ。技術的にも簡単なので、その地域以外でもシステムを複製することができる。
「水は生命の源であり、私たちすべてをつなぐもの。また、私たちの心身を洗い清め、解放してくれます。この水がもたらす自由こそがブランド名の由来であり、活動の原動力です」 歩くと足がスイスイ進み、一日中履いても疲れにくいFREEWATERSのサンダル。それを手に入れるということは、快適な履き心地を味わえると同時に、誰かがきれいな水を得られる助けにもなる。それってすごく気持ちいいことだと思うのだ。